■PHEVは2022年 日本・欧州には三菱版e-POWERも!?
詳細なスペックに関する情報は未発表ではあったが、エンジンは新開発の2.5Lガソリンエンジンを採用とある。すでに国内市場では、2020年10月にアウトランダーの2.4Lガソリンの仕様は生産終了となっており、その跡を継ぐ新型エンジンだ。
ちなみに、2020年10月下旬より北米で発売開始した新型ローグも、2.5Lの新型エンジンだった。憶測だが、日産と三菱で、北米専用の2.5Lガソリンエンジンのユニットを共用化している可能性がある。ローグ(エクストレイル)とアウトランダーが、エンジンユニットを共用することは以前から予測されており、協業の成果が、いよいよ主力商品で表れ始めているのかもしれない。
今回、この新型でのPHEVモデルに関するアナウンスはなかったが、三菱は、2020年7月に行われた中期経営計画の商品戦略において、次期型アウトランダーPHEVは2022年に登場、としており、PHEVモデルの登場まではあと少しかかるようだ。
アウトランダーは、これまでグローバルで累計販売台数260万台を超えている人気ブランドであり、日本市場での売れ行きからは想像できないほど、海外市場では売れているSUVだ。
そして、その「アウトランダー」というクルマにとって、PHEVモデルは大事な「資産」だ。三菱によると、アウトランダーPHEVは、2020年、欧州市場においてもっとも売れたSUVタイプのプラグインハイブリッド車となった(2020年に26673台を販売)。
また、2019年時点で世界累計販売台数20万台を達成した「世界で最も売れているプラグインハイブリッド車」としても認定されている。PHEVモデルこそが、アウトランダーのブランドバリューを引き上げているのは間違いない。
また、筆者は、北米向けローグには今年、e-POWER モデルが登場すると予想しており、今年登場が期待されている新型エクストレイルにも、そしてこの新型アウトランダーにも、e-POWER(三菱版は「mi-POWER」とか??)が登場するのではと考えている。
純ガソリンエンジンが許される仕向け国(北米とインド、アジア圏)には2.5LガソリンエンジンとPHEVを出し、電動化が待ったなしの仕向け国(欧州、日本など)には、e-POWERとPHEVのラインアップを用意するのでは!? という予想だ。
e-POWERという簡単なシステムと、エンジン発電による航続距離の長さは、日産・三菱の最大の武器となりうる。ほかの自動車メーカーは、相当に厄介だと感じることだろう。
■今こそ日産とのアライアンスを利用すべき
三菱によると、新型アウトランダーは、北米市場を皮切りに販売を活性化させ、グローバルに販売を広げていく計画だという。「プラグインハイブリッドSUVトップ」の座を守ってきたアウトランダーPHEVではあるが、他メーカーのプラグインハイブリッドの登場で、初代の功績を超えるどころか、一気に販売が落ちていく可能性もある。
なぜならライバル車は、売れ続けたアウトランダーPHEVを存分に研究しつくしているからだ。
いかに素早く、新型PHEVと、比較的廉価なe-POWERモデルを登場させられるか、それは協業関係の日産にもあてはまることだ。コロナ禍によるダメージを受ける以前から、両社は経営状態がよくなかった。三菱として、アウトランダーで失敗することは、絶対に許されない。
PHEVを含めたアウトランダーを、一切の妥協なく、最高のクルマとしたうえで、「いいクルマをいかに売り広げていくか」という点に関しては、北米市場では強い日産とのシナジー(相乗効果)は大いに利用してほしいと思う。
この新型アウトランダーをきっかけに、三菱、そして日産が活気づくことを、期待している。
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