2021年2月18日、欧州日産は、2021年夏ごろ発売予定の新型キャシュカイをワールドプレミアした。
初代モデルが2007年にデビューしたキャシュカイは、欧州Cセグメントに属するコンパクトSUVであり、欧州日産の屋台骨となってきたクルマだ。2代目である現行キャシュカイは、北米では「ローグスポーツ」の名でも売られており、北米ローグ、つまり日本版エクストレイルとは、兄弟車の関係にある。
ということは、新型キャシュカイを見ていけば、今年登場が期待されている、次期型エクストレイルの姿も、ある程度想像ができる。
本稿では、新型キャシュカイについて公開された情報を紐解きつつ、そこから推定できる「次期型エクストレイルの姿」についても、考察していこうと思う。
文:吉川賢一
写真:NISSAN
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やや大型化した新型キャシュカイ
エクステリアデザインが、新型ノートとよく似ているため、コンパクトなサイズのように見えるが、新型キャシュカイのボディサイズは、4425(+35)×1838(+32)×1635(+10) mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2666(+20)mm(※カッコ内は現行キャシュカイからの差分)と、現行キャシュカイに対し、ひと回りほど大型化している。
これによって新型キャシュカイは、全幅が現行型エクストレイル(1820mm)を越えた。ホイールベースも伸びており、後席のニースペースは大幅に広がったようだ。
また、欧州市場で初採用となるCMF-Cプラットフォームによって、車体の剛性向上と軽量化を達成したそうだ。全体で60kgもの軽量化と、41%もの剛性向上は、走りや乗り心地、そして振動といったあらゆるシーンで、恩恵をもたらしてくれるのは間違いない。
サスペンションは、フロントマクファーソンストラット、リアは2WDがトーションバー式、20インチタイヤを装着する4WDは進化版のマルチリンク式となる。
ローグとの共用をやめ、新顔に進化!!
現行型キャシュカイは、北米ローグとフロントフェイスを合わせていたが、新型では共通デザインをやめ、新たな顔へと進化した。2020年にフルモデルチェンジを受けた北米ローグが直線やスクエアなかたちを意識したデザインに対し、新型キャシュカイは、アリアや新型ノートにも似た、カーブを意識したデザインとなっている。
また、リアに向かって流れるようにデザインされたフローティングルーフも滑らかで洗練された印象だ。フロントからリアにかけて流れる1本の強烈なキャラクターラインも良いアクセントとなっている。Cピラーから後ろのキックアップする部分は、北米ローグとは明らかに異なる意匠となった。
リアデザインは、左右独立したテールランプと、日産ロゴの下(なぜか旧型ロゴ)に「QASHQAI」の文字が並んでおり、非常にシャープに仕上がっている。
だが、20ミリ伸ばされたホイールベースと、20インチサイズのホイールによって、これまでのコンパクトSUVの印象はやや薄れてもいる。
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