ようやく欧州最新モデルに追いついたインテリア
インテリアも日産の最新デザインへと進化した。新デザインとなったステアリングホイールのほか、12.3インチのTFTマルチファンクションスクリーンや、新しいシフトノブなど、最新装備が備わった。
これまでインテリアはライバルメーカーに差をつけられていたが、これでようやく、欧州最新モデルと同じ水準に追いついた。
これまでダッシュボードの中段にあり、見にくかったナビディスプレイも9インチにサイズアップし、最上段の見やすい位置へとレイアウトが改善された。
また新たに10.8インチのヘッドアップディスプレイが採用されており、ナビゲーションルート、運転支援情報や道路情報などをフロントガラスに映し出すことができる。高速移動が多い欧州のドライバーにとっても、こうした先進技術は大いに役立つだろう。
他にも、ナビゲーションとリンクした進化版プロパイロットも登場する。ナビゲーションデータを利用することで、急なカーブや高速道路の出口などで、車速を自動調整してくれる。運転中の疲労やストレスを大きく軽減してくれるはずだ。
パワートレインも超進化!! VCターボとe-POWERの新たな組み合わせに!!
パワートレインの進化が、今回の新型キャッシュカイのホットポイントだ。
新型キャシュカイには、2種類のエンジンが用意される。ひとつは、新開発の12Vマイルドハイブリッドシステムを組み合わせた1.3Lの直噴ターボエンジンだ。最高出力136ps/最大トルク240Nmの6速マニュアル仕様と、156ps/260Nmの6速マニュアル、エクストロニックCVT仕様となる。
そしてもうひとつが、1.5Lサイズの可変圧縮比エンジン「VCターボ」を発電専用エンジンとして搭載した新型e-POWERだ。VCターボは、最も美味しい圧縮比にコントロールし、発電効率を上げることが可能となっていると思われる。
この新e-POWERは、最高出力140kW(187ps)、最大トルクは330Nmにもなる。
ちなみに、新型ノートに搭載されている1.2L e-POWERは、最大出力85kW(114ps)、最大トルク280Nmであるから、およそ1.2倍はパワフルになった、ということになる。これによって、欧州のユーザーが求めるパワーと、環境水準になるだろう。
燃費に関してはアナウンスがなかったが、新型ノートのWLTCモード燃費29.5km/L(市街地29.9、郊外32.6、高速27.6)よりは落ちるだろうが、VCターボが発揮する高効率燃焼によって、それなりの低燃費を実現できている、と思われる。
次期型エクストレイルはe-POWERで勝負に出る!!
日本向けのキックス、そして新型ノートが、すべてe-POWERとなったように、特別な理由がなければ、日本仕様の次期型エクストレイルも純ガソリン仕様をつくらずに、全グレード電動車となるだろう。
そして、新型キャシュカイに採用されたVCターボが、次期型エクストレイルにも採用されるのでは!? と筆者は期待している。
さらに、次期型エクストレイルの上級モデルには「プラグインハイブリッド」仕様を期待する。協業関係にある日産と三菱が、新型エクストレイルと新型アウトランダーで、プラグインハイブリッドシステムを共有できれば、開発費や量産コストの面でも、両者にとって大きなメリットとなるはずだ。
ちなみに、RAV4 PHVは、バッテリー総電力量18.1kWh、EV走行距離は95kmと、アウトランダーPHEVを完全に上回ってきた(アウトランダーPHEVは総電力量13.8kWh、EV走行距離は65km)。
筆者の予想は、総電力量20kWhでEV航続距離「100km」だ。ベンチマーキングが大好きな日産であれば、このあたりの数字を達成してくるだろう。
日産は、2020年5月の2019年度決算/事業構造改革計画の場で発表した、構造改革プラン「NISSAN NEXT」の中で、「新技術は日本市場から投入する」と発表している。
新型キャシュカイの発売は2021年夏ごろ。筆者の期待通り、新型キャシュカイに採用されたVCターボが次期型エクストレイルに搭載されるとすれば、これより前に、我々は次期型エクストレイルの姿を見ることができるだろう。
今回の新型キャシュカイの登場で、次期型エクストレイルの姿が、徐々に見えてきた。年内には登場と噂されている次期型エクストレイル、どのような姿で勝負してくるのか、非常に興味深い。
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