現行アクアは今年(2021年)1~2月の登録台数が6806台で、前年同期に比べて54.8%という大幅なマイナスとなっている。2月の車種名別登録ランキングは19位のポジション。これを「売れている」と評価するか否かは見方が分かれるところだ。
アクアは発売当初から1~3年間、月販1万台以上も売れた月があるヒットモデルだった。この時点では登録車の銘柄別ランキングで常に上位を占めていた。発売後9年半も経過している古いモデルだから、そのわりには健闘しているといえるかも知れない。
本稿では、「2021年内にフルモデルチェンジ」と言われている、現行型アクアの売れ行きや経歴を整理して紹介し、新型アクアの現在わかっている情報も改めて紹介したい。
文/遠藤徹 写真/トヨタ
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■現行アクアの販売台数激減となった原因とは..?
現行型アクアは、2011年12月に「初代」として登場。現行ヤリスの前身モデルである「ヴィッツ」をベースに、ハイブリッド1.5リッター専用モデルとして発売した。
当時のヴィッツがオーソドックスな5ドアハッチバックレイアウトで、居住スペースの快適性や積載性を優先させたパッケージングだったのに対して、アクアはやや背を低めにしたスタイリッシュでスポーティな若々しいハッチバックとして仕立てられた。
ヴィッツおよび後継モデルのヤリスが1~1.5リッターガソリンNAと1.5リッターハイブリッドエンジンを搭載しているのに対し、アクアは1.5リッターハイブリッド専用モデルのコンセプトであり、そのぶんやや上級志向であったともいえる。
また販売の志向もやや異なった。当初はヴィッツがネッツ店専売モデルだったのに対してアクアは当初からトヨタ全系列店扱いでスタート。この販売力を背景にして、車種別販売ランキングで上位を占め、「トヨタのハイブリッド車は売れている」というイメージを植え付けた面もある(当時アクアには「プリウスより小さくて安いハイブリッド専用車」という役割が強かった)。
ところが、2020年5月からヴィッツ後継モデルである現行ヤリスが発売。全トヨタ系列店扱いになり、居住性、走行性能、燃費とあらゆる面で大幅に進化。相対的にアクアの商品力がダウンし、これが近年の販売台数激減傾向の原因となっている。
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