ついにトヨタ新型燃料電池バス「SORA」デビュー!! どこがすごいの??


■乗り心地はどうだったか?

 今回の体験試乗は都心部を10分程度、ひと回りというコースで行われた。

 プロトタイプの[トヨタFCバス]は運転試乗もさせていただけたが、今回は客席のみの試乗。せっかくなので最後尾で騒音チェックをと思ったが、エンジンがないので静かなのは当然のため、ホイールベースの間、ノンステップ床からステップが始まる席を選んだ。

 この床下には、走行のための機器や仕掛けが密集しているはずで、インバーター音に代表される通電系ノイズや、フリクション音を聞こえれば、と目論んだためだ。

 時間となって試乗開始。

 筆者のほかには40人ほどの体験者と関係者が乗車しており、なかなか賑やかな状態だったが、バスからの音は発進時の急旋回によるステアリングポンプのビビり音とタイヤノイズだけしかし感じられなかった。

今回試乗を担当してくれた『バスマガジン』の末永編集長
今回試乗を担当してくれた『バスマガジン』の末永編集長。運転席にも座らせてもらいました

 路線バスといえば、小排気量化が進む中とはいえ、5~7L級の大きなエンジンが吹ける音と振動が最も現れる発進時に、何の障りもなく動き出した状態は、快適さを通り越してキモチワルイほど。

 続く巡航は上り坂。EVのパワーでスルスル加速していくさまは、「あ、このバス、速いな!!」と感じる。

 現在のバスのATはとても優秀で、変速のショックをいっさい感じさせないが、それでもエンジンの振動と音で変速を知ることは容易だが、当然それもないEVでは、そのスムーズな加速っぷりをことさらに感じることができた。

 バスにとって車両全体に大きなストレスがかかるのが左折だ。

 左回りに四角く周回した「SORA」は、帰着時を含めると6回の左折をしたことになるが、前述のように懸念のあったGVW16tというボディのロールやきしみ、肘を付けていた内壁のゆがみや“押され感”などはいっさいなかった。

 試乗いうことで、低速走行だったということもあるだろうが、路線バスの表定速度はせいぜい時速10㎞程度。特に都市部で時速40㎞を超える走行はほとんど無いほどだ。なので、心配していた GVW16tというデータはその完成度の高さから杞憂だったことがわかった。

■バスの近未来とSORAが果たす役割は?

 バスの世界でも自動運転や運行管理の機械化など、日進月歩の革新が続いており、一番の注目点はドライバーの人材不足の助けにもなりうる自動運転だ。

 そんな中で「環境対策」というのは引き続き絶対的なテーマであり、いずれ来るかも知れない内燃機関の限界をフォローしてくれるのが「SORA」という存在なのかも知れない。

 バス運行でも鉄道に近い定時化を図るため、バスロケシステムやバス優先道路、専用道路の整備が全国で進み、バス優先の信号対策も都市機能のひとつとなっている。バス専用道も一部地域で実働しているが、土地問題などの壁があるのも現実だ。

 この「SORA」に試乗し、話を聞いてまず思ってのが、「排出ガスが出ないから室内でも走れるのだな」ということ。室内ではないが、例えばあの黒四ダム観光で有名な「黒部館山ルート」を走るバスは、以前より電気バスだ。かつては日本唯一のトロリーバスだったが、現在はバッテリー式に変更されている。全線トンネルのため、室内も同じだが、EVの利用法というのはこういう点にもある。

 大気中に発散する排出ガスがないので空気がキレイになる。

 これはものすごい利点なのは誰もが共感すると思うが、将来、地下鉄のように閉鎖空間にルートを作ってバスを走らせれば、鉄道ほどのインフラも要らず、定時を100%守れる路線バスが可能になるのではないだろうか。

 今回「SORA」に触れ、バス好きとしてはそんな未来もアリになったのだな、と嬉しくなった。

最新号

ベストカー最新号

このSCOOPは見逃せない! 次期型クラウンの姿、判明! ベストカー10月10日号(9/10発売)

特集 2030年 日本クルマ界大予測  地球環境問題、カーボンニュートラルのことを抜きに進んでいけな…

カタログ