Rの走りを生む専用メカニズム
そんな迫力満点のティグアンRの最大の武器は、やはり専用のメカニズム。エンジンは、ゴルフR同様に、高出力な2.0L TSIを搭載。その最新世代に相当するエンジンで、最高出力320ps/5350~6500rpm、最大トルク420Nm/2100~5350rpmを発揮する。
その実力は、0-100km/h加速が4.9秒。最高速度250km/hとなかなかのものだ。組み合わされるトランスミッションは、7速DSGであるが、標準車よりも高トルクを受け止める専用品が搭載されている。
R共通のアイテムである4WDシステム「4MOTION」も、ティグアンRでは新開発の最新式のものを採用。前後の駆動配分に加え、後輪左右の駆動力配分の行える「Rパフォーマンストルクベクタリング」を備えるのが最大の特徴だ。これにより、コーナリング時の非常に俊敏なハンドリングを実現しているという。
さらにステアリング自体も、可変ギアレシオを持つ「プログレッシブ ステアリング」の最新世代とすることで、駐車時の小回り性能からワインディング走行での応答性のよさまで、状況に合わせて最適なステアリング特性を生む。
快適な移動からスポーツ走行をまでを楽しませてくれるサスペンションには、スポーツサスペンションとDCC(アダクティブシャシーコントロール)を組み合わせる。その結果、走行モードに合わせて最適なセッティングに変更させ、自在な走りを実現させる。
特筆すべきは、ドライブモードに、サーキット走行を意識した「RACE」モードが用意されること。ティグアンR専用に開発された「RACE」モードでは、エンジン音がスポーティに変化し、ドライバーを高揚させる演出に加え、トランスミッション、ステアリング、サスペンション、4WDシステムなどの各部の特性も、よりスポーティにセット。
さらにドライバーのコントロールを高めるために、ESCを無効化することもできる。SUVでありながら、想像以上に本格的な走りを追求しているのは、さすが「R」モデルといったところだろう。
まさにSUVの姿をしたスポーツカーに仕立てられたティグアンRだが、4WDシステムの特性を路面状況に合わせてモード切替できるため、アウトドアや悪天候でも強みを見せる。まさに手頃なサイズと高性能スペックを持つティグアンRは、オールマイティなSUVともいえそうだ。
ただ約700万円という価格は、VWのなかでもずば抜けて高いものだけに、そのコスパにも期待が膨らむ。このこだわりティグアンを注文したユーザーへの納車開始は、今年後半となる予定だ。
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