■「GR SPORT」のバッジを掲げたグレードが
今回はグレードなどの詳細は公開されなかったが、ワールドプレミアのビデオではZX、VX-R(中東専用グレード)と、ランクル史上最高のオフロード性能を持つと噂される「GR SPORT」というプレートを備えるグレードが紹介された(なんらかの「走りのグレード」が存在することは確かなようだ)。「GR SPORT」ではTOYOTAとアルファベットで大きく書かれた無骨なロゴが目立つ。またフロントグリルからサイド回りのクラッディングパネルもオフブラックの精悍かつ実用性の高そうなものとなっている。
写真で見るかぎり、「GR SPORT」のプレートを掲げたグレードは、アプローチアングル/デパーチャーアングルが通常の車両よりも大きくとられている。すなわち路面と車体の干渉を防ぎ悪路走破性を高めるためにフロント/リアバンパー下部の張り出しが少なくなっているように見受けられる。また車高もより大きく確保されているように見える。
ランドクルーザーは、ランドクルーザーがなければ行き来できないぐらい過酷な場所で暮らす人々の命を支えてきた。これまでに世界170か国と地域で1040万台、年間30万台以上が販売されてきた事実をみればそれが過剰なステートメントでないことがわかる。
そして「ランドクルーザーは人々の安全と安心を支える生活に必要不可欠な唯一無二の道具である」というトヨタの哲学に基づいて今回の300シリーズも設計・開発されている。
日本にいると想像できないことだが、雪の積もった狭い山道を登って標高4000mを超える村までたどり着き、キャタピラーがなければ走破できないような深い泥と岩にまみれた未舗装路を超え、川を渡って患者を都会の病院に届けなければならない、というようなシチュエーションが世界には存在する。あなたがそのクルマのハンドルを握る立場だとしたら、どんなクルマを選ぶだろうか。
クルマが物理的に壊れたり砂漠や雪道、泥道を走破できずにスタックしたりすると文字通り死を覚悟しなければいけない環境でも安心して「どこへでも行き、生きて帰ってこられるクルマ」としてユーザーに選択され続けてきたクルマがランドクルーザーなのだ。
そしてそのような信頼性へのユーザーの要求に加え、現代のクルマに求められる洗練された乗り心地、環境性能、アクティブ/パッシブセイフティー/走行支援性能といった要素を満たし、両立させることは極めて難しい。単純に言ってしまえば壊れないよう丈夫に作ればクルマは重くなり、乗り心地や環境性能は一般的に低下するからだ。
だがランドクルーザーの開発に当たっては快適性能を高めるために走破性を犠牲にするなどというトレードオフの発想はありえない。ユーザーの命にかかわる高い要求を必ず満たすように運命づけられ鍛え続けられてきているクルマなのだから。
それが今回のフルモデルチェンジで何一つ犠牲にすることなくすべての要素がひたすら改善されているというではないか。
そんな新型ランドクルーザーが世界でデビューするのは今年の夏。トヨタによれば、「本年夏以降、世界各地で発売する予定」と公式に明言された。
トヨタのプライドをかけたモノづくりの究極の到達点といっていい新型ランドクルーザーを、この目で見られる日が来るのが楽しみで仕方がない!
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