ポルシェ911のなかでも、特にモータースポーツ色の強いスパルタンな「911GT3」に新たなバリエーション「911GT3ツーリングパッケージ」が加わった。
GT3のアイコンである大型リアウィングを取り去ってしまったツーリングパッケージとは一体どんなモデルなのか。そして、ベースであるGT3との違いはどこにあるのかを解説しよう。
文/大音安弘、写真/ポルシェ・ジャパン
【画像ギャラリー】なんともクールなポルシェ911GT3ツーリングパッケージ
■ウィングレスの911GT3
ポルシェ・ジャパンは、2021年6月16日、ポルシェのフラッグシップスポーツ911の新たなバリエーション「911GT3ツーリングパッケージ」を発表し、予約受注を開始した。
ステアリング位置とトランスミッションの選択が可能で、価格は2296万円だ。これは911GT3と同価格となる。
■ツーリングパッケージとは何か?
ツーリングパッケージは、ストイックなポルシェ911と縁の深いものであり、初めてその名が採用されたのは、1997年モデルの911カレラRSである。そして、先代となる2017年に、先代となる911GT3で復活させたもの。
その違いは、サーキット走行を主体とする911GT3に対して、911GT3ツーリングパッケージのストリート主体にリセッティングされていることにある。ビジュアル的な最大の違いは、GT3を象徴する大型リアウィングを取り去ったことだ。
これにより威圧感を抑制し、ほかの911同様に、街中でもスマートに乗れるGT3へと生まれ変わらせた。しかし、同モデルが911のなかでも特殊なGT3であることには変わりはない。
エクステリアの特徴として、取り去った固定式リアウィングの代わりに、内蔵式オートリアスポイラーが復活。高速走行時に求められるダウンフォースをしっかりと提供する。
シックとなったビジュアルの引き立てるべく、サイドウィンドウのトリムストリップにシルバーカラーのハイグロスアルマイト製を採用。フロントエンドも、ボディ同色に変更された。しかし、911GT3同様のワイドボディが相変わらず、ただならぬ雰囲気を漂わせるのも確かだ。
インテリアは、スポーティなGT3と仕上げが異なり、ツーリングパッケージ専用のブラックのエクステンデッドレザーを取り入れた上品なものに変更。さらにダッシュボードとドアトリムパネルには、特殊なエンボス加工を施すことで、差別化も図られている。
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