■一番人気の新開発2L+モーターのe-BOXERの燃費は?
アドバンスグレードに搭載される2Lハイブリッドが初期受注で1位になったが、もうちょっと詳しく解説してみたい。リチウムイオンバッテリーを新採用したモーター(13.6ps/6.6kgm)がアシストするが、当然フルハイブリッドではないため、あくまでもアシストするだけだ。
燃費はJC08モード燃費で2Lハイブリッドが18.6km/L、2.5Lが14.6km/L。WLTCモードでの市街地モードは2Lハイブリッドが11.2km/L、2.5Lが9.6km/Lと燃費がいいのは当たり前だが、高速道路モードでは2Lハイブリッドが16.0km/L、2.5Lが16.4km/Lと0.4km/Lしか変わらない。とはいえ燃費の面でも2Lハイブリッドが優位となる。
■e−BOXERはどんな走りをする?
発進&低速時など、エンジンの効率が悪い低速回転域ではモーターだけで走行し、静かでクリーンな走りを提供。 続いて、加速&中速走行時にはモーターアシスト走行を行う。エンジンを駆動させ、モーターはその働きをアシスト。2つのパワーユニットを最適に行うことで軽快で気持ちのいい加速が味わえる。
エンジンの効率がよい高回転域ではエンジンだけで走行し、必要に応じてモーターを回して発電し、バッテリーに充電する。アクセルOFFやブレーキング時は減速エネルギーを電気に変換して効率的に充電する。ブレーキを踏んでクルマが停車すると、自動的にエンジンが停止。無駄な燃料消費を抑える。
絶対的なトルク感のある加速フィールをみせる2.5Lに比べると、2Lハイブリッドは多少物足りないが、逆に低中速域ではキビキビと走る2Lハイブリッドのほうが、発進加速を繰り返す渋滞時や低中速域での加速フィールは、むしろ2Lハイブリッドのほうが好印象。ただフルハイブリッドではないので、グワーンと背中を押されるような走りを期待すると、がっかりするかもしれない。
では先代フォレスターターボに匹敵する走りかと言われれば、「勘弁してください、ターボには速さでは適いません」と言わせていただく。先代フォレスターの2Lターボは280ps/35.7kgm。3000rpmあたりから6500rpmまでグワーンとスムーズに加速していくあの感じは名残惜しい……。
それに対して、新型フォレスターは2.5Lが184ps/24.4kgm、e-BOXERは145ps/19.2kgm+13.6ps/6.6kgmである。トルクフルな2.5L、中低速域、日常域で乗りやすい2Lハイブリッドとそれぞれのよさはあるが、やはりターボの速さには負ける。
JC08モード燃費は、先代フォレスターのXTアイサイトが13.2km/L、新型フォレスターの2.5Lが14.6km/L、e-BOXERが18.6km/Lと、燃費面ではe−BOXER、2.5Lが優位だ。実用燃費なら、さらにターボ不利となるのは間違いない。
ターボを廃止したことについて、環境対応と、SUVとしての扱いやすさを考えるとNAを選んだと、開発責任者の布目智之さんは言っていたが、まさに時代の流れ。MTに関しても、MTだとアイサイトが搭載できないというのは納得できる。
とは言うものの、古くからのスバリストが納得できない……、硬派なスバルでいてほしかった……という声もわかります。ターボがなくなり、MTがなくなり、最後の砦だったMT車にのみ搭載されていたビスカスカップリング4WDもなくなった。
とはいえ、ターボじゃないから購入予定車から外すというのは間違い。先代フォレスターもなかなかよかったが、やはりSGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)を採用し、レーンチェンジで捻れをあまり感じない鉄製冷蔵庫のような強固なボディ剛性、上質でしなやかな足回りの現行モデルに乗ってしまうと、最新こそ最良だなと思ってしまうのだった。
今のところ、ターボ&MT廃止したことによって販売が激減したということはない。しかし、そこはスバル車。なるべく早いうちに年次改良でターボをぜひ復活させてほしいと切望するのは、担当者だけだろうか?
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