■兄弟車であるスバルBRZとの違いは
フロントマスク以外で気になるGR86とBRZの違いを、グレード体系や価格を含め機能面から挙げていくと、以下のとおり。
◆エンジン特性
アクセルを全開にすれば同じながら、GR86はアクセル操作に対しシャープにレスポンスする。
◆足回り
電動パワステは、BRZに対してGR86はややシャープな設定。スプリング&ショックアブソーバーは、BRZに対してGR86はフロントは柔らかい方向でより軽快にノーズが入り、リアは硬い方向。
◆車体結合
フロントハブハウジングは、BRZは振動を吸収するアルミ製なのに対し、GR86はステアリングインフォメーションが入りやすい鉄製。リアスタビライザーはボディ直付けで太さ14mmとなるBRZに対し、GR86はブラケットを介することで太さは15mmとなる。
まとめると、いい意味でオーソドックスなBRZに対し、「操作に対する反応が鋭い、ドリフトしやすい方向」となる点など、マニアックなGR86といったところだ。筆者はBRZで普段乗りに加え、最近クローズドコースでのドリフト練習をしたところ、大変コントローラブルで大満足しており、GR86が最終的にどんなキャラクターになったか非常に楽しみだ。
◆インテリア
最上級グレードのRZで選べるフロアカーペット、ドアトリム、シートバック上方に入るラインがレッドになるブラック×レッドのインテリアカラーの設定。
スポーツ走行の際に使うVSCのトラックモード、オフで液晶メーターに水温と油温が具体的な数字で出る機能がある(これはBRZオーナーからすると、とてもうらやましい)。
◆ボディカラー
BRZにある「WRブルーパール」がGR86にはない代わりに、「ブライトブルー」を設定。
◆グレード体系
GR86は上から、BRZの「S」に相当する「RZ」(6速MT/334万9000円、6速AT/352万2000円)、「R」に相当するSZ(6速AT/303万6000円、6速AT/319万9000円)、BRZにはないベースグレードの「RC」(6速MTのみ277万9000円)の3グレード構成。
BRZとの違いとしては、「RZ」はBRZのSに対しバックフォグランプ、フロントのスポーツブレーキパッドが加わり若干充実するぶんやや高額、SZはBRZのRに対しステアリング連動ヘッドライトやスポーツアルミペダルが省かれるぶん少し安い。また、GR86ではBRZではディーラーオプションのスペアタイヤが、メーカーオプションで1万1000円と安価に設定される。
注目は、現状ではGR86にしかないRCだ。
GR86のRCは初代86前期にあったRCが約200万円だった代わりに、エアコンは設定無し、オーディオは付かない、前後バンパーは無塗装の黒のままというのとはまったく違い、ホイールキャップ無しのスチールホイール以外フル装備となる普通に乗れるグレードだ。
そのため、一般的には18インチのミシュランパイロットスポーツを履くRZがおすすめで、筆者のように初代モデルと同じ17インチとなる先代プリウスのミシュランプライマシーHP同士の進化を見たいならSZもいい。
しかし、今GR86を買うならカスタマイズしたい人だけではなく、BRZには相当するグレードがないこともありRCも大いにアリではないだろうか。
また、GR86はトヨタが展開しているクルマのサブスクリプションであるKINTO(任意保険なども込みの定額利用)でも扱われ、この原稿を書いている時点では詳細は不明ながらカスタマイズも可という点も注目だ。
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