■証言1:首都圏日産店「新型が遅れているのは完成度を高めるため」
「ジュークはエクストレイルと並び、日産SUVの柱となるべき戦略モデルの資格があるはずで、次期型には大いに期待している。フルモデルチェンジが遅れているのはe-POWERの完成度をさらに高めたいのと、提携関係にある三菱自動車との調整の必要性があるようだ。同社は現在、RVRの次期型の開発を進めている。
サイズダウンし、プラットフォームやエンジンなど基本コンポーネントはジュークと共用化し、ボディパネル、インテリア、味付けを変えた別バージョンとして売り出すと思われる」
■日産の今下半期の販売戦略
日産は今年下半期に投入するニューモデルが存在しないので、苦戦を強いられるのは必至の情勢にある。
改良モデルとしては、前述のように8月29日にジュークニスモ、9月6日にはセレナ2Lマイルドハイブリッド車のマイナーチェンジ、25日にノートの追加モデル設定、10月中旬にエクストレイル一部改良、年末にはリーフに改良モデル追加などを予定。
しかしどれも、それほどパンチ力があるわけではないから、これによって販売が盛り上がることは期待できない。したがって販売を促進するためには、ディーラーのキャンペーンなどサービス企画がよりどころとなる。
現在行われているキャンペーン用のサービス企画は成約すると、車両の大幅値引き、ナビの割引、オプションプレゼント、下取り車があれば買取り価格の上乗せ、用品の販売、サービスパックの割引など盛りだくさんの内容でアピールしている。
具体的には車両の割引はケースバイケースで格差があるが、ノートで純ガソリン仕様が25万円引き、e-POWERが15万円引き、セレナは2L純ガソリン仕様が30万円引き、e-POWER20万円引きなどが普通になっている。ノートe-POWERはつい最近まで5万円引きと引き締めていたはずだが、拡大傾向が続いている。
ナビの割引やオプションサービスはこれまでよりも増額傾向にある。
従来はセレナ、エクストレイルクラスで最高10万円を限度としていたのを最近は倍増の20万円に跳ね上がっている。実質的な値引きの上乗せである。
下取り車もしかりでこれまで査定ゼロのポンコツ車でも5万円程度の最低保証をつけていたのを、倍増の10万円までOKといった高価格買い取りが目立っている。用品の販売はバッテリー、タイヤ、ボディコート、エンジンリフレッシュなどを10%引きで販売。ドライブレコーダーは機種によって格差があり、10〜30%オフで売っている。サービスパックは通常価格の33%引きと割引幅を拡大している。
■証言:首都圏日産店「早く新型車がほしい」
「いくつか改良モデルが発売になるが、この程度ではライバル他車との競争に勝てない。比較的優位に商談を進められるのはノートとセレナのe-POWERだけだ。それも発売当初は5万円引き程度で勝てたのが、最近は5〜10万円拡大しないと決めてくれないお客さんが増えている。
リーフは今年3月までは値引きゼロだったのが、4月以降は30万円引きまで跳ね上がり儲けが少なくなっている。下取り車の高価買い取りもあるので、中古車も収益が落ちている状況にある。強力な新型車がほしい」
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2019年にはノートとジュークのフルモデルチェンジが控えているだけに、なんとかこの2018年を乗り切ってほしい。
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