日本にピックアップブームを巻き起こすかもしれない三菱の新型トライトン。その魅力はいろいろあるが、頼りになる4WDシステムもそのひとつ。早速、そのディテールに迫ってみよう!
文と写真/ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】トライトンの全開走りをじっくり見て!(14枚)画像ギャラリー■パジェロ譲りの4WD「SS4-II」を採用!
新型トライトンが採用する4WDシステムは、三菱が1991年以来熟成させてきた「SS4(スーパーセレクト4WD)」の流れを汲む「SS4-II」だ。
SS4は2代目パジェロに初採用された技術だが、センターデフとビスカスカップリングを組み合わせることで、パートタイム4WDとフルタイム4WDのいいとこどりをした技術。
高いトラクション性能や旋回性能を実現した点が魅力だが、いちいちクルマを停止させなくても、車内から駆動方式が切り替えられるようにした点も画期的だった。
このSS4はパジェロのフルモデルチェンジ(3代目)とともにSS4-IIへと進化する。SS4-IIではセンターデフにプラネタリーギアを追加し、旋回特性をさらに高めたが、駆動方式の切り替えが電気スイッチでワンタッチとなった点も使い勝手を向上させた。
そしてもう一点、新型トライトンは、この4WDシステムにAYC(アクティブ・ヨー・コントロール)を組み合わせている点も見逃せない。
AYCとはコーナー内側の前輪に軽くブレーキをかけて、車体に曲がる力を生じさせる技術だが、三菱はこの技術を他のデバイスと統合制御させるのが得意だ。
たとえばアクティブLSD。これは空転している車輪を検知してブレーキをかけ、グリップしている車輪にトルクを配分させるものだが、滑りやすい路面で安全性が向上するいっぽう、スポーツ走行ではトラクションを高める役割も果たす。
こうした技術を総動員して、トライトンは圧倒的な走破性と旋回性能を実現しているのだ。
■「マッド」や「ロック」モードも持つタフなピックアップ!
具体的に、トライトンのドライブトレーンを見ていこう。まず4WDモードだが、以下の通り5つあり、センターコンソールにあるダイアル式のセレクターで切り替えることができる。
・ALL(状況に応じて自動切換え)
・2H(後輪駆動)
・4H(フルタイム4WD)
・4HLc(センターデフ直結)
・4LLc(センターデフ直結のローギアモード)
さらに注目したいのがドライブモードだ。エクリプスクロスやアウトランダーなど、ドライブモードを選択できる三菱車は多いが、トライトンは驚くなかれ、7通りのドライブモードを持つ。以下の通りだ。
・NORMAL
・ECO
・GRAVEL
・SNOW
・MUD
・SAND
・ROCK
「マッド」や「ロック」といったモードがあるのは、さすがアジアクロスカントリー・ラリーで鍛えてきた硬派なピックアップ。トライトンは路面に応じてドライブモードを選ぶだけで、最適な4WDモードを選択し、ベストな走りを実現してくれるわけだ。
この他にもトライトンは、下り坂で一定のスピードを保持してくれるHDC(ヒル・ディセント・コントロール)や、坂道発進での「ずり下がり」を防止するHAS(ヒル・スタート・アシスト)なども採用し、ドライバーの負担を軽減してくれる。まさかの際にも頼りになる、タフなピックアップといえそうだ。
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