2023年11月に6年ぶりのフルモデルチェンジで登場した3代目スズキ スペーシア。道具感あふれる外観と、細かい気配り満載の室内とのギャップに萌える新型スペーシアに試乗してきた!!
※本稿は2023年12月のものです
文/小沢コージ、写真/SUZUKI、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2024年1月10日号
■新型スペーシアはスズキらしさ全開
つくづくスズキらしさ全開だわ新型スペーシア。全面改良とかライバル撃墜!! とか言われてるけど、奇をてらったところは意外とない。
まず乗ったのはシンプルな標準ボディで、まさに正常進化。エクステリアは根本的には面剛性を上げる凹凸リブが入ったデザイン。旧型はスーツケース風だったのが新型はコンテナ風にリブの深さを増強。ゴツゴツ感が増し、力強さがアップしてる。
顔もヘッドライトを全車LED化すると同時にサイズ拡大。ただし標準のメッキグリルはさほどイメージ変わらずで、要はスズキらしい「道具感」を色濃くしたのだ。一方、カスタムは路線を変えつつワイルドさをキープ。
インテリア最大の注目は軽初採用の「オットマン」ことマルチユースフラップだろう。
使い方はざっくり3つで、ひとつは停車時にオットマンの如く引き伸ばしてフラップを寝かせて足を乗せるモード。ただしこれはそれほど楽にならない。フラップが小さすぎてふくらはぎが安定しないのだ。
むしろフラップを上向きにして使う荷物ストッパーモードと、運転中に少し伸ばして足を安定させるモードがいい。
これがないと大柄な男性の場合、太ももがフラフラ。コイツが本当に長続きするアイデア装備になるかは今後の使われ方次第だ。
それより質感アップのほうがわかりやすく魅力的。標準ではカフェ&カフェラテ色の樹脂、カスタムではシックなワインレッドとピアノブラックの新樹脂パネルを導入。
どちらもツヤなし系でインテリア質感がガバッと上がってるのとモノ入れの充実度に驚く。
最も使いやすいのは競合N-BOXがあえてやめた、助手席前のフタなし大容量タナの全面採用。しかもその容量拡大の理由が面白い。
エンジニアがコンビニにおける軽ハイトワゴンユーザーの使い方を徹底調査。すると消費税の軽減税率適用後、弁当やカップ麺を車内に持ち込み食べるユーザーが増えたという。
またコロナ禍もあり、ファーストフードのドライブスルー利用客が増えた。そこで新型の助手席前タナはペヤングの超大盛り焼きそばがすっぽり載るサイズに。縦横比にして17×23cmだからかなりデカい。
加えて助手席タナ下にティッシュケースが入る引き出しと既存のグローブボックスまで備わる新三層構造。
ほかにも運転席前メーターのひさし上にスマホ用タナ、ドアハンドル回りにもペンやリップクリームが収まるミゾを設置など物入れ充実。
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