CX-30は売れるのか!? “マツダ党以外”を取り込めるかが鍵握る
今後のCX-30の注目点は、マツダ車以外のユーザーをどれだけ引き付けられるかだ。今のマツダ車は個性が強いから、ユーザー側の好みもハッキリしている。
またCX-30はCX-3に比べると後席と荷室が広いが、燃料タンクを前席の下に搭載したヴェゼルほどの余裕はない。実用重視のコンパクトSUVが欲しいユーザーは、依然としてヴェゼルを選ぶ。
そうなるとCX-30の購買層は、総じてマツダのデザインや運転感覚が好きなユーザーになりそうだ。必然的にマツダ車同士の競争も生じる。
CX-5の2019年1~6月の登録台数は、1か月平均で3367台であった。CX-30も半年から1年ほど時間を経過すれば、1か月当たり2500~3000台の売れ行きに落ち着くだろう。
今のマツダの店舗数は1000店舗を下まわるから、トヨタ4系列を合計した4900店舗に比べると大幅に少ない。日産やホンダと比べても半数以下だ。そこも含めると、CX-30やCX-5が月販3000台前後で推移するなら妥当だ。
CX-30の開発者は「寸法ありきで開発した」と述べた。魂動デザインとSKYACTIV技術のマツダ車では「多少の寸法の違いにはこだわらない」と言っていたので、CX-30では考え方が変わってきたように感じた。
この点を開発者に改めて尋ねると「物事をライバル車と比較して決めることはしないが、必要な寸法は予め考えた」という。この発想がCX-3よりも広い後席と荷室に結び付いた。
CX-30が絶好調に売れることはないが、CX-3やマツダ3の販売低迷を補う役割は果たすだろう。
少なくともCX-30は、CX-3やマツダ3に比べると馴染みやすい。日本のユーザーに最も近いマツダ車といえそうだ。
今後はCX-30のようなバランス感覚で、マツダ車を開発すると良い。
■新型 マツダ CX-30 主要諸元
・全長×全幅×全高:4395×1795×1540mm
・ホイールベース:2655mm
・エンジン:直列4気筒ディーゼルターボ、1756cc
・最高出力:116ps/4000rpm
・最大トルク:27.5kgm/1600-2600rpm
・トランスミッション:6速AT
・WLTCモード燃費:19.2km/L
(XDプロアクティブ)
■新型CX-30 価格帯:239万2500~371万6000円
■CX-3 価格帯:212万7600~309万4480円
■CX-5 価格帯:257万400~355万8600円
コメント
コメントの使い方