■日常の使い勝手で「大きさ」を感じさせない工夫
さらに『大きさ感』を感じさせないために細部にまで手が入っている。
ドアミラーはステーの取り付け位置を16mm上方に移動し、左右の出っ張り自体を17mm内側に減らしている。
上下の写真を見ていただくとわかりやすいが、赤いボディのカローラスポーツと白いボディのカローラセダンでは、ドアミラーと窓枠との距離が異なっていることがわかるだろう。
また、狭い駐車スペースでの乗り降り時のことを考慮して、前席ドアのドアトリム、特にアームレスト部分の張り出しを抑えることで、身体を斜めにして乗り降りするような場面での引っかかりを減らしているのだ。
これもカローラスポーツの写真と比較していただきたい。
■目線移動を減らすサスチューニングで操安性向上
今回新たに取り組んだシャシーチューニングの考え方として「ドライバーが予測できる動きにクルマの挙動を制御する」というものがある。
つまり、視界や車両操作からドライバーは「この先クルマはこう動く」と予測しながら運転しているが、その予測に沿った動きをさせることで安定した操作性を実現させるとともに、乗り心地もよく感じるようになるという。
そのための重要な要素のひとつとなるのがドライバーの視線移動だという。走行中の揺れに対して視線移動の量を小さくしてやることで、ドライバーはクルマの挙動が安定しているように体感することがわかった。
新型カローラはドライバーの視線移動の減少を狙ったサスチューニングをすることで、感覚にマッチした操縦性、乗り心地を実現しているということだ。
かぎられたコース内での短い試乗だったが、確かに路面のうねりやマンホールの突起などを乗り越した際に頭が上下左右に振られるような動きは少なく、乗り心地のよさを実感した。
このサスチューニングは、カローラスポーツも今回同時に一部改良され盛り込まれている。具体的には、従来型に対しリアバネ/ダンパーは動かす方向にしながら、スタビを強くしてロール方向の動きを抑えているという。
カローラ、特にセダンの中心ユーザー層は現在70歳代だという。上田CEは、「これまでのユーザーにはもちろんですが、30~40歳代のドライバーにもカローラのよさを知っていただきたい」と、カローラの若返りを力説する。
■新型カローラシャシーチューニングのポイント
・ドライバーの目線移動に着目して、目線移動の少ないサスペンションチューニングを実施
・リアのバネ、ダンパーを動かす方向でチューニング。一方スタビは硬くしてロールは抑える
・ドライバーが予測できるクルマの動き方となるようなシャシーチューニングとした
■コネクティッドはますます進化! LINEカーナビで音声操作
新型カローラでは全モデル全グレードでディスプレイオーディオを標準装備している。スマホと連携させることで地図アプリや音楽などを聴くことができる。
これに合わせてトヨタとLINEが連携して「LINEカーナビ」を開発。すでに9月5日より無料で提供が開始されている。
トヨタのナビエンジンを搭載し、音声認識AIアシスタント「Clova」との連携により、音声入力でさまざまな操作が可能となる。
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