2019年11月7日、英国グッドウッドよりロールス・ロイスからの公式リリースが届いた。昨年5月に登場し大きな話題となったロールス・ロイス初のSUV「カリナン」に、上位モデル「ブラック・バッジ」が登場。それを告げるものだ。
リリースとともに届けられた約20点の写真は、9月のフランクフルトモーターショーに出品されたBMWのショーモデル「X6」に張り合うつもりか? などと勘ぐりたくなるほど、どれも果てのない黒で彩られている。CEOトルステン・ミュラー・エトヴェシュの言葉を引用してみよう。
「ブラック・バッジはロールス・ロイスのお客様の中でもきわめて個性的な方々のご要望にお応えするもので、リスクを冒し、常識を打ち破って、独自の成功を手に入れようとするお客様を想定しています。(中略)そして、この精神を追求する中で今回、ブラック・バッジにロールス・ロイスがこれまでに与えた最も大胆かつ最もダークな表現が生まれました。それが、『ザ・キング・オブ・ザ・ナイト』、ブラック・バッジ・カリナンです。」
●【画像ギャラリー】どこまでも黒、どこまでもラグジュアリー!!! カリナン・ブラック・バッジの姿をギャラリーでチェック!!
文:ベストカーWeb編集部/写真:Rolls Royce
※写真は提供されたままの状態で使用しており、当編集部で出力を間違えた訳ではありません
■「最も深く、最も暗く、そして最も強烈な黒」
「ブラック・バッジ」シリーズは、2016年登場の「レイス・ブラック・バッジ」そして「ゴースト・ブラック・バッジ」を皮切りに設定された、新世代の「スーパーラグジュアリー・コンシューマー」をターゲットとしたシリーズ。
2017年の「ドーン・ブラック・バッジ」を経て登場する今回の「カリナン・ブラック・バッジ」は、同シリーズ(ロールス・ロイスでは「ファミリー」と呼ぶようだ)の最後を飾るモデルになるという。
カラーリングに関しては予め設定された4万4000色、もしくはそれらとはまったく別の色を選ぶことも可能だが、ここは黒を選択しないと嘘じゃないだろうか。
グッドウッドのロールス・ロイス本社工場で、ペイントとラッカーを何層にも丁寧に塗り重ねた上で手作業(!)により10回研磨を行う塗装工程は、ソリッドカラーの表面仕上げとしては最も手の込んだ処理になるという。
シンボルに選ばれたのは、数学で「無限大」を表す記号。室内の随所に目立たぬ形であしらわれている。
この印は1937年に水上速度記録を打ち立てたロールス・ロイス製エンジン搭載のハイドロプレーン「ブルーバードK3」の船体に表示されていたもの。
これは、この超高速ボートの保険等級が「エンジン出力に上限の無いもの」、つまり無限大であるものに割り当てられるボートであることを示していたという。
ロールス・ロイスのパワーに対するその飽くなき追求の姿勢を示すべく、このマークが「ブラック・バッジ」のシンボルに選ばれた。
そしてその姿勢を裏付けるかの如く、出力もアップ。ただでさえ十分すぎるはずの6.75リットル・ツインターボV12の出力は29PS「だけ」(←公式リリースママの表現)増強され600psに。最大トルクも50Nm引き上げられ、900Nmとなっている。
コメント
コメントの使い方