■MAZDA 6 セダン(289万3000〜429万5500円)
7月にこれまでのアテンザから車名を変更。同時に2.5Lのガソリンターボ(230ps/42.8kgm)搭載グレードが設定された。ディーゼルターボ車ではMTも選択できる。
○長所
低重心のLサイズセダンでホイールベースも2830mmと長いため、峠道や高速道路での走行安定性が優れる。挙動変化が穏やかに進み、路面のウネリを通過した時の安心感も高い。2.2Lディーゼルは実用回転域の駆動力に余裕がある。6MTを選べることも魅力で、WLTCモード燃費は19.6km/L。静粛性も良好だ。
×短所
マツダ6は、2012年にアテンザの車名で発売された。ボディの側面に複数のラインが入るデザインは、マツダでは旧世代の形状で古さを感じる。2.5Lガソリンターボは、実用回転域の駆動力が高い代わりに高回転域の伸びが鈍い。燃費の悪いディーゼルという印象で、選ぶ価値が乏しい。
●100点満点で採点すると……64点
■MAZDA 6 ワゴン(289万3000〜429万5500円)
現在の日本では貴重な、大人が乗って似合うワゴン。45.9kgmの大トルクを発揮するディーゼルターボ搭載車では6MTも選択できるなど、意外と個性的だ。
○長所
荷室面積は国産ワゴンで最大級だから、大きな荷物も積みやすい。荷物を隠すトノカバーは、リアゲートの開閉に連動して持ち上がり使い勝手に優れる。
リアゲート上側を少し寝かせて、ヒンジを前寄りに装着したから、開閉時にリアゲートが後方へ大きく張り出さない。ディーゼルの優れた動力性能と低燃費も魅力だ。
×短所
ワゴンだから安定性に不満はないが、マツダ6セダンには劣る。荷室面積を広く確保するため、ホイールベースを80mm短く抑え、ボディの後方を伸ばしたことが影響した。後席の足元空間もセダンに比べて少し狭い。斜め後方が見にくく、ボディはワイドだから取り回し性も不満だ。
●100点満点で採点すると……60点
■ロードスター(260万1500〜388万3000円。RF含む)
初代への原点回帰を目指して開発された4代目モデル。1.5Lエンジンを積むソフトトップがデビューした翌年、リトラクタブルハードトップのRFがデビューした。
○長所
全長が4mを下回るFRのスポーツカーであることが一番の魅力だ。前後の重量配分もバランスがよく、現行型はボディ剛性も高めたから、操舵に対する反応が正確で安定性もいい。車両と一体になれる運転感覚は、マツダ車の象徴だ。またスポーツカーでありながら歩行者も検知できる緊急自動ブレーキを採用している。
×短所
乗り心地は全般的に硬い。特にRSはビルシュタイン製ショックアブソーバーを装着するが、上下に揺すられる印象が強い。この傾向はソフトトップで顕著だ。RFは2Lエンジンを搭載するが、車両重量が重いこともあり、ソフトトップの1.5Lに比べてあまりパワフルな印象を受けない。
●100点満点で採点すると……95点
■CX-3(216万7000〜315万1786円)
マツダ2(デミオ時代)をベースに作られたSUV。最低地上高は160mmと高くなく、パーソナルクーペ的な性格を与えられた都市型モデルと考えたほうがいい。
○長所
マツダの最小サイズのSUVで、プラットフォームはマツダ2と共通だ。ただしマツダ2に比べると乗り心地が重厚で、操舵した時の車両の動きも一層正確に感じる。
運転感覚はマツダ2よりもCX-5に近い。インパネなどの作りが上質で、前席はシートのホールド性と座り心地を高めた。小さな高級車といった雰囲気だ。
×短所
身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシひとつ弱だ。SUVではかなり狭く、荷室面積も足りない。2Lのガソリンエンジンは動力性能が不足気味で、アクセルペダルを深く踏み込むと、粗いノイズが気になる。後方視界も不満で、後席に座ると閉鎖感が強い。
●100点満点で採点すると……50点
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