■【Part4 スバル編】ブルーのマシンで他チームを震え上がらせた暴れん坊
一般的な乗用モデルに4WDシステムを備えたクルマをWRCに初めて出したのがスバル。1980年のサファリラリーにレオーネ4WDが出場し、総合18位、グループ1クラス優勝を果たす。
スバルがWRCに本格参戦したのが初代レガシィRSグループAからで、1990年のサファリラリーでデビュー。
インプレッサWRXグループAに切り替わる直前の1993年ニュージーランドラリーで、レガシィ最初で最後の優勝をC・マクレーのドライブで飾った。
スバルがWRCで猛威を振るうようになるのはインプレッサWRXグループAでの1995年シーズンから。
マクレーがドライバーズチャンピオンに、マニュファクチャラーズタイトルも獲得。
以後、WRカーのインプレッサWRCで8勝をマークした1997年シーズンまで3年連続でマニュファクチャラーズを独占した。
その後も2代目インプレッサWRCで2001年にR・バーンズ、2003年にP・ソルベルグがドライバーズチャンプに。
●初代レガシィWRC
初代レガシィは当時経営危機に陥っていたスバルが起死回生を狙った入魂の作として登場。スポーツモデルのRSはWRC参戦も見据え新設計のEJ型2Lターボ+4WDというパワートレーンを採用。実戦には1990年から参戦し、優勝にはなかなか手が届かなかったが、レガシィ最後のWRCとなった1993年NZで最初で最後の優勝を果たした。
●初代レオーネ4WD
スバルはレオーネが初代モデルだった1972年からWRCに参戦し、1980年には1979年登場の2代目モデルがWRC初の4WDとして歴史に名を残した。1984年登場の3代目モデルでは1.8Lターボを搭載し、4WDもパートタイムからセンターデフつきフルタイムとしたRXターボが登場。サファリラリーを中心としたWRC参戦を行った。
●初代インプレッサWRC
初代インプレッサのWRC参戦マシンは1997年からWRカー規定への移行もあり、ベース車をよりボディ剛性が高い2ドアクーペのリトナをベースにしたものに変更した。市販車も4ドアのWRX STIがバージョンIIIだった頃から登場。STIからはWRカーをイメージしたコンプリートカー22Bも発売され、あっという間に完売となった。
●初代インプレッサ555グループA
1992年登場の初代インプレッサにWRCを含めたモータースポーツ参戦ベース車として設定されたWRXは「レガシィをコンパクトにする」というギャランとランエボの関係によく似たモデルだった。ランエボとの死闘もあり競技ベースのSTIバージョンはVIまで進化。WRCでも1995年のダブルタイトル獲得など、輝かしい成績を残した。
●2代目インプレッサWRC
2000年登場の2代目インプレッサWRX STIは、市販車では重量増という不利はあったものの、特にC型と呼ばれる2002年以降のモデルはランエボとの激闘を繰り広げた。WRCでは2回のドライバーズタイトルに加え、グループNによるPWRCでも新井敏弘選手がチャンピオンを2回獲得するという活躍を見せた。
●3代目インプレッサWRC
2007年登場の3代目インプレッサWRX STIは2代目モデルでWRCのドライバーズタイトルを獲得したペター・ソルベルグ選手の希望もあり、リアオーバーハングの短い5ドアハッチバックとなり、市販車は全体的に質感も向上した。WRCでの成績は振るわなかったうえにリーマンショックの影響もあり、スバルは2008年でWRCから撤退した。
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