■20年前のクルマと現在のクルマが衝突したらどうなる?
オーストラリアやNZで行われているANCAP(Australasian New Car Assessment Program)による、ある検証実験の様子が、2017年にYouTubeに公開されました。
動画では、1998年製と2015年製のトヨタカローラを衝突させる様子が収められており、2台を時速64kmでオフセット衝突をさせる、という内容です。
2台のカローラが向かい合って走り出し、互いの運転席サイドがぶつかるように衝突をさせる実験をしています。あまりの衝撃のため、両車のフロント周りは大破し、部品も散り散りになってしまっています。
■2台のカローラの状況は?
2015年製カローラは、衝突した直後にエアバッグが展開し、前方に飛び出したダミーの衝撃を吸収する様子が収められており、フロント部分が大破しているものの、運転席のスペースは維持されています。
Aピラーには多少のダメージがありますが、運転席側のドアは少し歪(ゆが)んでいる程度。またサイドのエアバッグも展開されており、ドライバーはしっかりと保護されています。
対する1998年製カローラは、運転席側のボンネットが大きく後退し、さらにはAピラーも垂直になる程に曲がり、挙句の果てにフロントタイヤも運転席の足元までめり込んでしまいました。
キャビン内に突入してくるステアリングホイールにはエアバッグが装備されておらず、ダミーは、ハンドルをもろに受ける形になっていました。また、ダッシュボードと運転席シートの間にダミー人形の足が挟まれてしまっています。
このように、比べるまでもなく、2015年製のカローラの方が優秀な結果であり、17年間の安全性能の向上を確認することができます。
■まとめ
クルマの衝突安全性能の進化は、車両を作っているメーカーの努力はもちろんのこと、ルールを作る側の政府機関や、自動車メーカー関連団体、自動車保険団体などの努力によって、成し遂げられています。
比較的コンパクトで、全高が低く、そしてシャープなデザインが魅力的に感じることがある古いクルマですが、衝突時のリスクも含んでいることは気に留めておきたいですね。
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