2005年に日本上陸! レクサス国内開業のきっかけは?
ところが北米のレクサス発足から16年を経過した2005年、日本国内でもレクサスが開業された。その理由は、海外とは違う日本の事情であった。
日本の国内販売台数を振り返ると、1990年の778万台をピークに下降を続け、2000年には596万台まで低下した。比率に換算すると10年間で23%の減少だ。
一方、輸入車はドイツ車を中心に売れゆきを伸ばした。特にプレミアムブランドのメルセデスベンツは、2000年に1990年の1.4倍を販売している。
日本車では1990年代後半に、ミニバンと軽自動車が急増してセダンは低迷したが、メルセデスベンツはこの隙を突いて販売を拡大した。
トヨタは上級セダンが豊富だから危機感を持ち、レクサスの国内開業を決定したわけだ。北米のレクサスは、日本車が高級車市場を攻めるためのブランドだったが、日本では国産の上級車種を輸入車から守るために誕生した。
それでも近年の輸入プレミアムブランドは、SUVを中心に車種を増やし、レクサスの登録台数はメルセデスベンツを下回る。2019年は新型車の効果もあってレクサスが少し多いが、安泰ではない。
また、初代セルシオは、1990年に毎月1500〜2000台を登録して、後年でも2〜3代目が1000台前後を維持していた。それが現行LSは、発売直後の2018年でも1ヵ月に400台前後だ。店舗数の違いもあり、売れゆきはセルシオに比べて圧倒的に少ない。
高級車としての洗練度は?
ただし、車種のラインナップは充実している。2005年に国内開業した後のレクサスは、SUVのNXやUX、セダンでも車内の広いESを加えているからだ。
特に今のレクサス車はフロントマスクを派手に仕上げ、操舵感も機敏な設定だ。良し悪しは別だが、スポーティ感覚や運転の楽しさをわかりやすく表現して、メルセデスベンツやBMWとは違う個性を身に付けた。
今後は国内の販売網を充実させて「どこでも誰でも公平に買える」トヨタ本来のよさを目指してほしい。
日本のトヨタは、高級車の初代クラウンから普及を開始した。日本ではトヨタこそが最良のブランドだから、レクサスのあり方も海外とは違うものであるべきだ。
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