中国車の進化が早すぎる。3月17日、BYDが新型車「漢L」「唐L」の技術説明イベントを開いたのだが、その性能に口があんぐり。なんと3万回転回るモーターを搭載し、その出力は789馬力。しかもたった6分で満充電ができて、1000V/1000A充電に対応するというのだ。マジか!
文:ベストカーWeb編集部/写真:BYD
たった5分の充電で400km走れる!
まずは両車の立ち位置だが、漢Lは全長5m級の大型サルーン、唐Lはほぼ同サイズのSUVで、それぞれのカテゴリーにおけるBYDのフラッグシップモデルとなる。
双方ともPHEVモデルとEVモデルがあるが、今回注目するのはEVのほう。BYDがこれからの10年を見越して開発したという「超級e平台」と呼ぶプラットフォームを基本骨格とする。
まずそこに搭載される電池だが、量産車としては初めて1000V/1000A(=1000kW=1MW!)による充電を可能とした。車体の側面両側に充電ポートを備えており、両方を同時に使ったデュアル充電を可能にしている。
その充電性能がすごい。漢Lでいえば1秒あたり2km分の充電が可能、たった5分で400km分の電気が蓄えられるのだ。充電効率を表すCレートはなんと10C。6分あれば満充電が完了する計算だ(※唐Lは1分あたり1.6km、5分充電で370km。8.4Cとなる)。
BYDはかねてから「給油と同じ時間で充電を完了させる」と豪語してきたが、いよいよその野望が現実のものとなってきたわけだ。
【画像ギャラリー】龍の顔がモチーフという漢Lと唐Lの細部をよく見てよ!(19枚)画像ギャラリー値段も破格の553万円から!
まだある。バッテリーと組み合わされるモーターも驚異的だ。両車はFRと4WDをラインナップする予定だが、後輪駆動のリアモーターですら500kW(680ps)級になるという。
しかしもっとすごいのが4WD用のリアモーター。その最高回転数は3万511回転と発表されており、出力は580kW(789ps)に達するのだ。これにフロントモーターを組み合わせた出力は1000psオーバーといわれ、シャオミSU7ウルトラ(1548ps)に次ぐ怪物サルーンとなる可能性が高い。
ちなみに0-100km/h加速値は2.7秒、最高速は発表値こそ270km/hだが、実測で305km/hを記録したというから恐ろしい。
漢Lも唐Lもそれぞれのカテゴリーのフラッグシップだけあって、車内のおもてなし装備も至れり尽くせり。フロントシートはレッグレスト付きの11枚の層で構成される重厚なもので、リアシートには10点式のマッサージ機能が付く。センターアームレストには温冷庫も搭載可能だ。
BYDは先日「天神之眼」という高性能自動運転技術を発表したばかりだから、一般道でも機能する高性能のNOA(ナビゲーション・オン・オートパイロット)を搭載することも確実だ。
そして価格。漢Lと唐Lの価格だが前者が27万元(約553万円)から、後者が28万元(約574万円)からとなる。この価格帯はFRモデルだろうが、それでも超急速充電を実現しているとしたら、EVのゲームチェンジャーになる可能性も秘めている。
この2台の発表によってBYDは株価が急騰し、3月17日深夜には時価総額が約24兆円を超えたという。この進化と日本勢はどう戦うのか。反撃に期待だ!
【画像ギャラリー】龍の顔がモチーフという漢Lと唐Lの細部をよく見てよ!(19枚)画像ギャラリー
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