■直3、1Lターボ+D-CVTで走りはいいぞ!
エンジンは前述のように98ps/14.3kgmを発揮する直3、1Lターボ。
動力性能的には特段どうこう言うような特徴はないものの、2000rpmあたりからしっかりとトルクが立ち上がってくるのでドライバビリティは悪くない。いや、例えば街中で走っているとキビキビ小気味よさを感じる。
このひとつの要因にD-CVTのメリットもある。遊星ギアを組み合わせることで、一般的なベルト式CVTでは難しいとされたワイドなギア比を可能とした。100km/h巡航時のエンジン回転は小排気量エンジンとしては低めの2400rpm程度なので音や振動も小さい。
ここまで「○」ばかりなんだけど、走り出すと乗り心地というか、走りの質感の部分にちょっと「×」が顔を出す。
売れ筋グレードが170万~180万円という価格を考えれば、コストとの闘いで苦労したんだろうな、ということは理解できるのだが、例えば操舵フィール。
電動パワステの容量がちょっと足りないのかな。操舵に対して“ぶわ~ん”とした慣性感を感じる。重たい錘をつけた細く長い棒を振った時の感覚……といえば伝わるだろうか!?
あとはダンパー。これもコストと闘いの結果なのだろうが、比較的大きく重たいSUVサイズのタイヤを抑え切れていない印象。
細かい路面の段差などを通過すると“ドタドタドタ”とタイヤが暴れる振動がステアリングコラムを伝わってくる。17インチだとよりその傾向を感じる。
4WDモデルのほうがFFよりもドタドタ感は小さく感じるのだが、これは前後重量配分の関係だろう。
フラットな路面のコーナリングや高速道路のレーンチェンジなどでの操舵に対する反応は素直でリニアリティがあるので、ボディ剛性が不足しているとか、シャシー剛性の問題ではない。やはりダンパー減衰力だろう。
と……「×」の話をしたけれど、「乗り心地の質感」のネガを感じるのは荒れ気味の路面を走った時だけ。優れたパッケージングやコストパフォーマンスなどでトータルで見ていけば、ロッキー&ライズの魅力は大きい。
■ダイハツロッキー(G・4WD)&トヨタライズ(Z・2WD)主要諸元
・全長×全幅×全高:3995mm×1695mm×1620mm
・ホイールベース:2525mm
・車両重量:1050kg(970kg)
・最低地上高:185mm
・エンジン:直列3気筒DOHCターボ、996cc
・最高出力:98ps/6000rpm
・最大トルク:14.3kgm/2400-4000rpm
・トランスミッション:D-CVT
・サスペンション:ストラット/トーションビーム
・タイヤサイズ:195/60R17
・JC08モード燃費:21.2km/L(22.8km/L)
・WLTCモード燃費:17.4km/L(18.6km/L)
・価格:222万4200円(206万円)
※()内の数字・価格はトヨタライズのもの。()がないものはロッキー・ライズ共通
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