最近のマツダのクルマを見ると、「どれも同じに見える…」という一般読者からの意見をよく耳にする。
確かに魂動デザインを採用してから、マツダ自身があえてどのモデルも近しいデザインにしているため、そういった意見は当然ともいえる。では、走りなどまで見ると同じなのか? といえばそうではない。きちんとそれぞれのモデルで違いが明確になっている。
今回は見た目の似ている3モデルが、どう違うのか? や、今ならどれを買うのがお薦めなのか? を、走りと実用性の面から岡本幸一郎氏が解説する。これを読めば、どうしようか悩んでいたあなたもスッキリ間違いなし。
文/岡本幸一郎
写真/MAZDA、編集部
【画像ギャラリー】似ているようで実は違う! マツダSUV3モデルを並べて比較してみる!!
■似ているようで、実は熟成が進んでいる魂動デザイン
現行CX-3がもうしばらく販売されそうな感じなので、現時点ではCX-30がCX-3とCX-5の間を埋めた格好となっているが、実質的にCX-3の後継となるものと思われる。
車名の数字がいきなり2ケタになったのには、デザインや走りが大きく進化を遂げた新世代商品であることを印象づけるという狙いがあるようだが、実はすでにCX-4が中国専売モデルに存在するため、苦肉の策として「30」としたようだ。
ボディサイズは、CX-3が全長4275×全幅1765×全高1550mm、CX-30が4395×1795×1540mm、CX-5が4545×1840×1690mm、ホイールベースはそれぞれ2570mm、2655mm、2700mmとなる。
全高が抜きん出て高く、そのぶんシートの着座位置も高いCX-5は、SUVらしい高めの目線を好む人に適する。逆に、全幅が1800mmを超えるなんてとんでもない! という人はCX-5はあきらめざるをえない。
なお、最小回転半径はCX-3とCX-30が5.3mで、CX-5は5.5mとなっている。むろん物理的なサイズも取り回しに効いてくるので、日々の買い物など日常的に使うにはCX-3がもっともラクではある。
見た目の好みで選ぶのももちろん大いにアリだが、どれもよくできているので悩ましいところだ。なかでも「世界で最も美しいクロスオーバー」を目指したというCX-30は、ひときわ印象的だ。キャラクターラインを入れず、余分な要素を削り曲面で美しさを表現したという「引き算の美学」を取り入れたCX-30は、CX-3やCX-5とはまた違った趣がある。風景の映り込み方も独特だ。
CX-3が出た時に、クラッディングパネルがCX-5よりもずっと太いことが印象的だったものだが、CX-30ではさらに幅広にされたことに驚く。これはボディを薄く見せる効果をのものらしい。
全体としては、“魂動”デザインはおしなべて評価が高く、そのなかでもやはり後発になるほど新しい要素を取り入れているわけだが、あらためて見てみると、最初に出たCX-3の筋肉質で前進感のあるフォルムもなかなかのものだと改めて見直した次第である。
実用性については、CX-5がもっとも優れることはいうまでもないが、意外とやるのがCX-30だ。
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