【「ガラスが割れたw」でスルーするのはもったいない!!】 テスラEVトラックの超潜在力

 2019年11月22日(現地時間で21日)、テスラ・モータースはEVピックアップトラック サイバートラックをロサンゼルスで発表した。

 このサイバートラック、その奇抜とも言えてしまうデザインや、デモンストレーションでの意気揚々と窓ガラスをぶち破ってしまった件などばかりが取り沙汰されてしまっているが、実はいろいろとすごい。

 たとえば航続距離。日産リーフe+のそれが458km(WLTCモード)、アウディのe-tronが436kmだが、サイバートラックは800km(トライモーター)、加速性能の0-60mph(約96km/h)2.9秒以下も、日本車で最速とされる日産GT-Rニスモの2.7秒(0-100km/h加速)や世界に並み居るスーパーカーたちにも(ピックアップトラックなのに!)引けをとらない数字だったりする。

 今回はこのサイバートラックが秘めた可能性について、自動車評論家の国沢光宏氏、清水草一氏の見解も踏まえてお伝えしてみたい。

【画像ギャラリー】この形は未来の標準形? それともただの「やりすぎデザイン」なのか? サイバートラックの画像ギャラリーでチェック!!!

※本稿は2019年12月のものです
文:ベストカー編集部/写真:Tesla Motors
初出:『ベストカー』 2020年1月26日号


■96km/h加速2.9秒以下、航続距離は805km!

 ムムムッ、何だこの形は? まるでステルス戦闘機のように直線で形作られた斬新なスタイル。これを珍と言わずして何と言おう! テスラが2019年11月21日に発表した電動ピックアップトラックの「サイバートラック」のことだ。

特徴的なのがこのサイドフォルム。ルーフが尖っていて三角定規のようだし、ステルス戦闘機のようでもある

 サイバートラックは、トラックの実用性とスポーツカーの性能を両立し、高い耐久性や動力性能を持ち、オンロードでもオフロードでもハイパフォーマンスを発揮するように開発されているのが特徴。

 冒頭で触れたとおり、特にデザインが斬新で目を引くが、そのボディには強高度のステンレス鋼を使用。装甲ガラスも使用されていて、強固なボディシェルを持つ。

フロント回りも平面で構成されたデザイン。グリルレスでのっぺらぼうのような感じ?

 パワートレーンは、1モーター+RWD、2モーター+4WD、3モーター+4WDの3タイプを用意。3モーター+4WD仕様では、0→96km/h加速は2.9秒以内、1回の充電での航続距離は805kmを発揮するという。

 室内は6名乗車が可能。荷台はロックカバーが装備されていてスペアタイヤが積載できるほか、カバーを外せば大きな荷物も載せられ、さらにキャンピングカー仕様に変身させることもできる。

 用途が多岐にわたるのも特徴だ。

外観に比べるとシートの形状は普通だが、ダッシュボードの角は尖っている

■意外に売れるかも!? テスラの大黒柱になる!!

 スタイルも走行性能も実用性も従来のピックアップとは一線を画すパフォーマンスを持つわけだが、このサイバートラックを自動車評論家のおふたりはどう見るのか? 

●国沢光宏氏の見解

 アメリカに行くと、いまだ西部劇時代のような人生観の人が少なからずいる。そういった皆さんのお気に入りといえば、こらもうフルサイズのピックアップトラックです。

 本当なら7L級のV8でブイブイ言わしたいところだろうけれど、昨今の燃費規制もあり4気筒モデルなんぞも増えてきた。遅くて不満ですワな。

 そこにブツけてきたのが、メチャクチャ速いサイバートラックだったりする。市場ニーズ、多いかと。

 そもそもフルサイズのピックアップトラックって高価。500万円くらい出さないと存在感のあるグレードやエンジンを買えない。

 約450万円と公表されたサイバートラックのスターティングプライスはリーズナブルだと思う。2モーターのパワフルなモデルだって約550万円。しかもふつうのピックアップトラックより100倍くらい存在感ありますワな。

 ということで、私はけっこう売れると予想しておく。テスラの大黒柱になるかも。


荷台は用途に合わせていろいろな使い方ができる。カバーを外せばバイクを積むことができるし、キャンピングカー仕様のアクセサリーなども考えられているらしい

●清水草一氏の見解

 自動車デザインは、しばしば機能から大きく逸脱して複雑化する。無意味な装飾や複雑すぎるパネル面がそれだ。かつてのフォード・エドセルとか。最近ではマイチェン前の現行プリウスの顔もそれですかね。

 テスラのサイバートラックはその真逆で、機能から大きく逸脱したデザインの単純化を行っている。屋根なんて完全な三角定規。ウエストラインも一直線。誰だって「なんだこりゃ!」って思うよね。

 その「なんだこりゃ」こそ、サイバートラックの狙いだ。それで強く印象づけるとともに、斬新に感じさせている。前後タイヤハウスの切り欠きは、ヘタな小学生の絵みたいに不揃いなんだけど、それも違和感を刺激するのが狙いだろうか。

 この違和感が、時間の経過とともに愛着になるか憎悪になるかがポイントなんだけど、とりあえずこのデザイン、多くの人に飛びつかせるだけのパワーはあるようだ。

*   *   *

 なお、テスラが公表したサイバートラックの価格は433万~759万円。11月23日時点ですでに14万6000台も受注しているとテスラは発表していて、生産は2021年末から準備が整うとしている。

 このサイバートラック、今後はクルマとしての実力が注目されるところだ。

■テスラサイバートラック主要諸元(トライモーターAWD仕様)
・0-60mph(約96km/h)加速:2.9秒以下
・航続距離:500マイル(約804.5km)以上(EPA推定)
・ドライブトレイン:トライモーターAWD
・荷台容量:100立方フィート
・牽引力:14000ポンド(約6.3トン)以上
・オートパイロット:標準
・アダプティブ エアサスペンション:標準
・最低地上高:最大16インチ
・アプローチアングル:35度
・デパーチャーアングル:28度

【画像ギャラリー】この形は未来の標準形? それともただの「やりすぎデザイン」なのか? サイバートラックの画像ギャラリーでチェック!!!

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