トヨタルーミー&タンク 長所とライバル車 両側スライド&室内広々で大ヒット中!!

荷室とシートアレンジ比較

 両車では後席の格納方法が異なる。

 ルーミー&タンクは、後席の背もたれを前方に倒し、次に後席全体を前側に落とし込むと、床の低いフラットな空間になる。

 ソリオは後席の背もたれを前側に倒すと、座面も連動して下がり、ワンタッチで後席を畳めるようにした。その代わり広げた荷室の床に傾斜ができてしまう。ルーミーは荷室容量、ソリオはシートアレンジの利便性を重視した。

 そしてルーミー&タンクでは、床面を反転させると、汚れを落としやすい素材が貼られて自転車などを積む時に便利だ。ルーミー&タンクの荷室は、大きな荷物を積んだり、屋外で使うことも考えている。

ルーミー/タンクはリアシートの収納について操作性よりも積載性を考慮している。ラゲッジ優先の場合は魅力的になる
ソリオはルーミー/タンクとは逆の発想で、リアシートの収納については操作性を最優先。もちろん収納力はあるが、使いやすさではルーミー/タンクが優れる

動力性能比較

 ルーミー&タンクのエンジンは、直列3気筒1Lで、自然吸気のノーマルタイプとターボがある。

 車両重量は2WDの最も軽い仕様でも1070kgだから、1Lのノーマルエンジンでは動力性能が幅広い回転域で不足する。アクセルペダルも深く踏み込みやすく、エンジンノイズも高まりやすい。

 ターボは1.4Lのノーマルエンジンと同等の動力性能を確保するが、2000~3000回転のノイズが耳障りだ。

ルーミー/タンクの1L、直3DOHCはパワー不足、直3DOHCターボはパンチ力はあるが、回した時にノイジーになるのが残念

 ソリオは1.2Lエンジンのみだが、ノーマルタイプ、マイルドハイブリッド、フルハイブリッドの3種類がある。

 フルハイブリッドは燃費向上率が小さい割りに価格が高く推奨できないが、マイルドハイブリッドは経済的だ。

 車両重量は2WDが950kgだから、ルーミー&タンクよりも120kg軽く、排気量は1.2Lだからパワー不足を感じにくい。

 4000回転を超えると速度上昇も活発になり、元気のいい走りも味わえる。アクセル開度が抑えられてノイズも高まりにくい。

走行安定性と乗り心地比較

 ルーミー&タンクは、カーブに進入したり車線を変える時に、ボディがやや唐突に大きく傾く。ボディの捩れも感じられ、進路を乱されやすい。カーブを曲がっている最中に、ステアリングホイールをさらに深く切り込んだ時は、車両の向きが変わりにくい。

 ソリオは自然な印象だ。高重心のコンパクトカーだから機敏に曲がる設定ではないが、唐突感を抑えて安定性にも不満はない。背の高さを意識しないで運転できる。乗り心地は両車ともに硬めだが、ソリオは少し粗さを抑えた。

ソリオは1.2Lということでルーミー/タンクに対し200ccの余裕があり、走りにもそれが如実に出ている。特に質感は大きな差となっている(写真はマイチェン前)

安全装備比較

 衝突被害軽減ブレーキは、ルーミー&タンクがスマートアシストIIIを装着する。ダイハツの軽自動車と基本的に同じタイプだ。2個のカメラをセンサーに使い、歩行者も検知して衝突被害軽減ブレーキを作動させる。

 ソリオもデュアルカメラブレーキサポートだから、2個のカメラを使う方式だ。

ルーミー/タンクはダイハツのOEMということでダイハツの軽自動車に搭載されている安全装備であるスマートアシストIIIが搭載されている

 誤発進抑制機能は、両車とも前後両方向に対応する。障害物に向けて必要以上にアクセルペダルを踏み込んだ時、エンジン出力が制御され、ソリオの後退時についてはブレーキの作動も可能にした。

 ルーミー&タンクは、サイド&カーテンエアバッグを全車にオプション設定しており、ソリオバンディットは標準装着した。ただしソリオの標準ボディは対応が異なる。

 サイドエアバッグは主力グレードに標準装着したが、カーテンエアバッグを装着するのは、上級のハイブリッドSZとハイブリッドMZのみになる。

ソリオの安全装備はスズキのセーフティサポートで、基本的に軽自動車と同じ。衝突被害軽減ブレーキはデュアルカメラブレーキサポート

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