昨今、販売合戦のため自社登録が横行して大きな問題になった。俗に“新古車”と呼ばれる、登録済みの未使用車のことだ。
大量の未使用車は、中古マーケットに大きな影響を及ぼす問題なのだが、新車購入を考えているユーザーサイドにとっては、お得にクルマを購入できるかもしれない見逃せないポイントになっている。
中古車のスペシャリスト、萩原文博氏が未使用車ではないが、自社登録によって生まれる未使用中古車、登録済み未使用車を買うメリットとデメリットについて考察する。
文/萩原文博
写真/編集部、BMW MINI
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■問題化した未使用車。しかし一概に悪ともいえないメリットも
かつて政治家が発した「2位じゃダメなのでしょうか?」という言葉が、様々な物議を醸した。しかし、新車の販売台数においては、どのメーカーも1位を目指して様々な努力を行っている。
その1位になるために行っている行為のひとつが、未使用中古車や登録済み未使用車といわれるものだ。軽自動車は届出、登録車は登録だけしたまったく走行していないクルマのことで、最近写真週刊誌に新車の輸入車が大量にモータープールと呼ばれている場所に置かれているのが取り上げられていた。まさに、この未使用中古車や登録済み未使用車は登録台数を積み上げるために行われた結果発生するクルマなのだ。これほどまでしても新車販売台数No.1という称号がほしいのである。
こういった未使用中古車は全面的に悪い! とは一概には言えない。それは、ほぼ新車といえる高コンディションのクルマが、新車より割安な価格で手に入るからだ。こういった未使用中古車が多く発生する軽自動車ではそういった未使用中古車を専門に扱う販売店も多く存在しているし、販売店で話を聞くとリピーターも数多くいると聞く。確かに、ほぼ新車同然のコンディションのクルマが値引き以上の価格で手に入るのだから魅力ではある。しかし、メリットばかりではない。未使用中古車にもデメリットがある。
それはまず車検期間が短くなるということだ。すでに登録だけはされているので、購入してから3年ということにはならないのだ。さらに、ボディカラーやグレード、装備、なかでもメーカーオプションの装備は装着できないというデメリットもあることは覚えておいてもらいたい。
では、なぜこの未使用中古車の話をするのかというと、新車、中古車ともに年度末の3月が最も販売台数が増える最大の需要期だからだ。その需要期に向けて、メーカーは人気車の人気グレードを中心に需要を見込んで増産体制をとり、販売店も販売台数を増やすために値引き額が大きくなる。しかしその需要期祭りが終わると、捌ききれなかったクルマが未使用中古車として市場に出回ってくるという構造なのだ。
では、実際に未使用中古車はどれくらい存在して、本当にお買い得なのか! を検証してみよう。
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