インプレッサと聞くと、WRCで活躍していた姿を思い返す人も多いかもしれないが、ホットモデルが存在していたのは3代目モデルまで。4代目モデルからは、実用的なハッチバック&セダンとなり、以降はそこまでスポーティなものではなくなってしまったが、3代目までは素のモデルでもWRCの息吹を感じることができたのだ。今回はその中でも「インプレッサアネシス」を振り返ってみたい。
文:小鮒 康一/画像:スバル
遅れて登場した3代目インプレッサの4ドアセダンモデル
インプレッサアネシスが存在していたのは2007年6月に登場した3代目モデルであるが、当初は5ドアハッチバックのみのラインナップで4ドアセダンは存在していなかった。
4ドアセダンが追加されたのはデビューから1年以上が経過した2008年10月のことで、新たにアネシスというサブネームが与えられている。
そんなインプレッサアネシスは、基本的には5ドアハッチバックモデルとメカニズムを共有していたが、ハッチバックに用意された2Lターボの「2.0GT」に相当するグレードは存在せず、1.5Lと2Lの水平対向4気筒SOHCエンジンのみが用意された。150万円台からという価格でカローラやブルーバードシルフィと競合するキャラクターとなっていた。
WRX STIではなくとも十分な走行性能
ただライバルと大きく異なっていたのが、当時のインプレッサには「WRX STI」というラリーでも大活躍を見せたホッテストモデルが存在していたという点で、シャシーの基本性能が一段上がったことだ。
さすがにWRX STIほどの補強などはなされていないものの、1.5Lで110ps、2Lでも140psという出力に対しては明らかにシャシー性能が勝っており、攻めた走りをしても全く音を上げることがない仕上がりとなっていたのである。
またスポーティ仕様の「2.0i-S」には17インチのタイヤホイールや小ぶりながら存在感のあるリアスポイラーのほか、リアスタビライザーや欧州仕様と同じダンパーがおごられるなど、グレード名に恥じない装備が与えられていたのもポイントだ。
残念ながら3ペダルMTは1.5Lモデルにしか用意されなかったが、2ペダルATであってもそのハンドリングの良さは十分味わえる。プレミア価格化はしていないが、中古車としてはかなり希少な部類となりつつあるので、隠れたスポーツセダンをお探しならぜひ候補に入れてみてはいかがだろうか。


コメント
コメントの使い方