■日産 ティアナ(2019年末生産終了)
ティアナは2003年にかつてのローレルとセフィーロを統合したモデルとして登場した、FFのラージセダンである。初代モデルは居心地のいいインテリア、2008年登場の2代目モデルは最近流行のクーペルックのセダンに通じる流麗なスタイルが魅力だった。
しかし2014年登場の現行モデルは、パワートレーンは2.5リッター直4+FFのみ、安全装備が目立つところもない、特に価格が安いわけでもなく、あるのは大きなボディによる広さだけと、率直なところ魅力が浮かばないというクルマだった。
これはティアナの責任というよりクルマの世話をしない日産の問題で、巡り会わせの悪かったティアナは本当に気の毒に思う。ただリアシートは広く快適なので、価格次第で個人タクシーなどに使うには悪くない。
■ダイハツ キャスト アクティバ/スポーツ(2019年末 生産終了)
2015年にダイハツの軽自動車に加わったキャストはハイトワゴンのムーヴに近い成り立ちで、一番オーソドックスな「スタイル」とスポーツモデルの「スポーツ」がホンダ「N-ONE」、最低地上高を30mm挙げるなどした「アクティバ」がスズキ「ハスラー」に対抗するという、欲張りなクルマだった。
だが全体的にレベルが年々上がっている軽自動車の中でも悪いクルマではないけど、強い魅力もないというのも事実で、ならばN-ONEやハスラーといったその種の本家を買うのが常套と感じてしまうのも否めなかった。
今年年央にダイハツからハスラーをターゲットにしたタフトが出るのもあり、アクティバがラインナップ落ちするというのはわかるが、ダイハツにそういったキャラクターのモデルがないスタイルとスポーツまでなくなってしまうというのはちょっと驚きだ。スタイルとスポーツに関してはちょっと時間が空いてもいいから、独自のキャラクターを持たせた上で再チャレンジの機会を与えてあげたいところだ。
■MINI ミニシリーズ MT車(2020年2月生産終了)
日本においてミニはボディのバリエーションが豊富なこともあり、ミニ全体を単一車種として見れば4年連続で一番売れている輸入車の座をキープしている。ミニは使い方に応じて自分に合ったものを選べるのも魅力だが、その中でも特にクルマ好き度が高いのが3ドアのガソリン車に設定されているMT車である。ミニはATでファッション的に乗るのもオシャレだが、あの可愛らしいスタイルも含めMTで乗るのも楽しい。
しかしミニのMT車はメーカーから正式に生産終了が発表されている。残念なことだが、もう数が増えることのないクルマだけに見方を変えれば持っていれば今後意外な高値で手放せる可能性もありそうだ。
■アバルト 124スパイダー(2020年 生産終了)
アバルト 124スパイダーはマツダとフィアットの業務提携により産まれた、マツダロードスターをベースに生産もマツダで行われるFRのコンパクトスポーツオープンである。なおフィアット版はフィアット 124スパイダーがスタンダードで、さらにハードな方向に振ったのがアバルト 124スパイダーである。
日本で販売されるのはアバルト 124スパイダーのみとなるが、アバルト 124スパイダーは内外装の変更に加え、エンジンはフィアット製の1.4Lターボを搭載し、足回りなどもアバルトチューンとなっており、ロードスターとは違ったキャラクターを持つ。それでいて価格はMTなら406万円と、ロードスターRFで最上級グレードとなるRFの約390万円とさほど変わらずと、先々のカスタマイズの可能性も含めてなかなか面白い存在だ。
しかし、アバルト 124スパイダーはフィアット 124スパイダーも含め生産終了が決定している。そのこと自体も残念だが、結果的にロードスターファミリーの生産が減少方向となるのも心配だ。
今回挙げたクルマの生産終了は残念だが、どのクルマもボディカラーなどの仕様はともかくとして今からでも新車を買える可能性は高いようなので、このなかに欲しいクルマがある方は即動くのが吉となるだろう。
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