新型ヤリスは初代ヴィッツを超えるか!? 祖先はコンパクトカー界を変えた革命児だった!!


新型ヤリスは原点回帰

ヤリスのフロントマスクは非常に精悍な表情に仕上げられていて、リアフェンダーの膨らみなどデザインへのこだわりが感じられる。走りに特化したプレミアムコンパクトだ

 新型ヤリスの開発者は、「初代と2代目のヴィッツは、輸入車を含めて他車からの乗り替えも多かった。しかし3代目は従来型ヴィッツからの乗り替えが中心になり、新規のお客様を獲得できず、次第に売れ行きを下げた」と振り返る。

 この3代目ヴィッツの商品開発を補正して、初代と2代目の路線に戻したのが、4代目の新型ヤリスだ。車名をヤリスに変更した背景には、3代目と決別してイメージを刷新させる意図もあるだろう。

 言い換えれば原点回帰だから、新型ヤリスのイメージは初代ヴィッツに近い。外観には引き締まり感が伴い、インパネなどの内装は上質で、走行安定性と乗り心地のバランスもコンパクトカーの中では優れた部類に入る。

初代ほどの斬新さ、驚きはないが、ヤリスのインテリアも負けず劣らずデザインへの並々ならぬ熱意が感じられる。各部の造形はかなり凝っている

 その代わり3代目で広げた後席と荷室の広さも、初代と2代目に近付いた。前後席に座る乗員同士の間隔は、3代目の先代型に比べると37mm縮まり、後席は床と座面の間隔も32mm減ったから、後席は腰の落ち込む少し窮屈な座り方になる。

 荷室ではリアゲートを寝かせたから、背の高い荷物を積みにくい。つまり後席と荷室の実用性を割り切り、運転席の周辺と走りの水準を高めることで、ヤリスはドライバー本位の魅力を強めた。

 初代と2代目のヴィッツ、4代目となるヤリスを並べると、ドライバー本位の性格も継承されて進化がわかりやすい。

ヤリスのラゲッジの積載性はお世辞にもいいとは言えず、ライバルの後塵を拝している感は否めないが、ここは割り切った点でもある

初代ヴィッツはコンパクトカー界の革命児

 そこで「新型ヤリスは初代ヴィッツを超えたのか」の結論だが、インパクトやほかのコンパクトカーに与えた影響という点で、ヤリスは初代ヴィッツを超えていない。

 初代ヴィッツが発売された時には、フィットはまだ登場しておらず、コンパクトカーは「エントリーカー/入門車」などと呼ばれていた。

 一番安いカテゴリーでヒエラルキーも低く、スターレットには独特の楽しさはあったものの、ハッキリと目に見える部分をカローラよりも安く造っていた。

3代目ヴィッツよりも狭くなったヤリスの室内スペース。これもドライバー優先のコンパクトカーとしたことの影響だが、そのネガに勝る楽しさを実現しているという

 このようなコンパクトカーの概念を刷新したのが初代ヴィッツだった。当時の国産コンパクトカーでは、身長180cm以上のドライバーは正確な運転姿勢を取りにくかったが、初代ヴィッツなら最適な姿勢で座れた。

 また当時の国産コンパクトカーは、フォルクスワーゲンポロ、オペルヴィータ、プジョー106などの欧州車に比べて、高速道路を中心とした直進安定性に不安を感じあたが、初代ヴィッツはこの欠点も払拭させた。

 世界に打って出るための高品質という点では、カテゴリーはまったく違うが、初代セルシオに似た印象も受けた。

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