5タイプすべてにハイブリッドと4WDを設定
運転支援システムは緊急ブレーキ機能、電動パーキングブレーキの採用により停止まで対応するようになった先行車追従型のアダプティブクルーズコントロールや車線の中央を維持しようとするLKASなどから構成されるホンダセンシングが全グレードに標準装備される。
なお新型フィットのホンダセンシングは今までのミリ波レーダーと単眼カメラを周囲の情報源としたものから、単眼カメラと前後のソナーを情報源としている点にも注目したいポイントだ。
バリエーションはグレードというよりもユーザーの嗜好に合うようそれぞれのキャラクターを際立たせた5つが揃う。具体的には以下のとおりキャラクターわけされている。
【5タイプそれぞれの特徴】
■基本となるBASIC
■よりインテリアの質感などを高めたHOME
■フィットネスクラブのようにアクティブなNESS
■ラグジュアリーな方向となるLUXE
■クロスオーバーのクロスター
という具合になっていて、それぞれにハイブリッドと1.3Lガソリン、FFと4WDが設定されている。
クロスターは5タイプのなかで特別な存在!?
この記事の主役となるクロスターは新型フィットに先行して、コンパクトミニバンのフリードが2019年10月にマイナーチェンジされた際に追加されている。
フリードのクロスターはエクステリアでは悪路での干渉に対応したバンパーやサイドシルの樹脂化、ルーフレールの追加、インテリアでは木目調パネルの採用やシート表皮の変更が行われている。
しかし変わっているのはそのくらいで、「見た目だけのクロスオーバー」という感が強いが、ユーザーはこれを新鮮に感じ好評だ。
それに対しフィットのクロスターはフルモデルチェンジで加わったフィットの一員ということもあるのか、エクステリアはグリルレスの標準系に対しグリルが設けられ、専用の前後バンパーやクロスオーバーらしいホイールアーチプロテクター(フェンダーの樹脂部分)が付くなど、新型フィットにおけるポジションの違いを感じる。
なお前後パンパーとホイールアーチプロテクターの追加によりクロスターのボディサイズは標準系に対し全長で95mm、全幅で30mm拡大され、フィット史上初の3ナンバーボディとなるのが最大の特徴だ。
ライトなクロスオーバーとして魅力的
インテリアもアウトドアなどでの使用も考慮し、シートに加えアームレストなども撥水加工されたものとなる。
そしてフリードのクロスターに対し最大の違いといえるのが最低地上高だ。標準車と変わらないフリードのクロスターに対し、フィットクロスターは15から16にインチアップされたタイヤとサスペンションの変更によりFFで標準系より25mm高い160mm、4WDは5mm高い155mmとなる。
クロスオーバーというキャラクターを考えると深い雪道への対応や、クロスオーバーの隠れた魅力となる乗降性の向上のためもう20mmくらい最低地上高が高くてもよかった感もあるが、フィットクロスターをライトなクロスオーバーと見るなら十分ともいえるだろう。
価格は売れ筋となっているHOMEに対し22万円高の193万8200円からとなる。
価格に対しての感じ方は個人差があると思うが、クルマは普通の人にとっては何年かに一度の高い買い物となる商品なのを考えると、多少高くても長期間満足しながら自分に合ったものを選べる可能性が増えるというのは歓迎できる。
という点などを考えると、フィットクロスターが今後フィットファミリーにおける新たな柱として注目を集めるのはほぼ確実だろう。
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