【2WDが9割の車種も!】 ブームの光と影 「四駆じゃないSUV」 なぜ流行??

なぜSUV&クロスオーバーは非4WDが主力に?

ジムニーなどの本格派は、写真のような本格的な悪路で真価を発揮するが、多くのユーザーは、もっとカジュアルな使い方がメインであり、そうした背景が昨今のSUVトレンドにも結びつく

 その理由を考えてみるといくつか浮かぶ。

【1】「悪路に強いから」という理由でSUVを買っているユーザーは意外に少ない

 上位のようなユーザーがSUVを選ぶ具体的な理由としては……

・SUVやクロスオーバーの「スタイルや高い着座位置に代表される全体的な雰囲気が好き」という選び方

・「SUVは乗用車よりリアシートや荷室が広いことが多い」など実用性の高さ

 こうした理由があげられる。乗用車に対し、走りがそれほど劣ることなく、乗用車プラス20万円程度で買えることが多いのだから、SUVとクロスオーバーが人気になるのもよくわかり、そういったユーザーなら4WDの必要性は薄い。

【2】2WDでも技術の進歩で雪道に相当対応できるようになってきた

 コンパクトSUV&クロスオーバーの2WDは、ほぼすべてが前からクルマを引っ張るFF(=前輪駆動)ということもあり、もともと雪道に弱くはない。

 さらに、近年はスタッドレスタイヤや横滑り防止装置の義務化といったクルマ周辺の雪道対応が著しく進歩していることもあり、「最低地上高が高いSUV&クロスオーバーなら2WDで問題ない」という考えも充分成り立つ。

先頭からC-HR、CX-3、ヴェゼル、エクストレイル。近年、2WD車の雪上性能が向上したことで、前3台のようなFF主体のSUVがトレンドとなっている

【3】4WDのデメリットも否めない

 乗り心地に代表されるクルマ自体の仕上がりは、車種によって異なるケースもある。ただ、昔に比べれば改善されているにせよ、4WD化に伴う重量増と動力性能や燃費の悪化は否めない。

 また、2WDと4WDの価格差も、今回調べたコンパクトクラスだとスズキ クロスビーと新型ハスラーは約13万~15万円と抑えられているが、それ以外は約20万~24万円となる。これはミドルSUVでも約20万~25万円と意外に変わらない。

 そのため、中心価格帯が200万~250万円のコンパクトクラスと中心価格帯が300万円台となるミドルクラスでは差額に対する感じ方が変わってくることもあり、特にコンパクトクラスでは2WDが人気となることもよく分かる。

◆  ◆  ◆

 現代はファッションに近い感覚でSUVを選ぶこともよくあるので「4WDは不要、2WDで充分」と考えるユーザーも多いということだろう。

 また、アメリカで販売されるSUVは、日産 アルマーダ(かつてのサファリ)やシボレータホ、キャデラックエスカレードのようなピックアップトラックベースの本格的なものにも昔から2WDがある。日本もその流れに近くなっているともいえそうだ。

 ただ、雪道などを走る際には、やはり4WDのメリットは絶大だ。

 それだけに「冬場に雪道を走ることがそれなりにある」など迷っているなら、処分する際の査定で差額を回収できることもあり、きちんとしたスタッドレスタイヤを履くことを前提に4WDを選ぶのを勧めたい。

【画像ギャラリー】四駆が少数派のモデルも!? SUV販売ベスト15車&販売台数

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