パトロールがお好きですね?
――インタビュー中に何度も車名が出てきた「パトロール」。もしかしてエスピノーサCEOはパトロールが好きなのか?
エスピノーサ氏:
パトロールは非常にお気に入りの一台です。砂漠でも乗りましたが、あの感動は凄いものでした。あなたもパトロールに乗られていると思いますが、日産の施設での試乗でしたよね?
もちろんそれでも体感できることはたくさんあったと思いますが、ぜひ東名高速などの長距離で走ってみてほしいんですよ。そこでこそ、パトロールのゆとりのある走行性能を体感できると思いますよ!
(編集部所感)このインタビューはジャパンモビリティショー前の実施だったが、その段階ではもちろんパトロールの2027年度日本投入は決まっていたのだろう。時折、ニコッと笑顔になるCEOの表情を見ているとなにか動きがあるのかとは思ったが、まさか本当に日本投入とは。日産にしかできないことをやってくる姿勢は応援したい。
シルビアは出ないのか?
――シルビアのような手の届くかっこいいクルマが欲しい! そんな夢を叶えてくれるのだろうか?
エスピノーサ氏:
この手の質問にはいつも同じ答えをしていますが、やっぱりシルビアは復活させたいです。あくまで「私は」ですよ(笑)? 実現には難しいコンセプトですからね。ただ日産車のなかでも大好きな一台なんですよね。
特にS15のターボ。現在の規制を考えればあの軽さとパワーの両立などは難しいと思いますが、本当に最高のスポーツカーでした。いつもS15で運転訓練を受けたのを思い出すんです。ハンドリングコースを何周もしてね。インストラクターに「運転上手だね」ってほめられたのは嬉しかった。
シルビアのような若い世代を継続的に惹きつけるクルマを出したいと思っていますが、これは価格だけではなく、スマホ世代のお金のかかる若者が必要とする価値を見極める必要もあると思います。ビジネス的な事情を無視することはできないですが、いつか実現していきたいなと思います。
取材を終えて
終始にこやかな雰囲気で行われた取材。スカイラインやGT-Rの話題では、本当に嬉しそうに話すシーンもあった。しかし日産がこだわりすぎた「伝統的な価値観」をどう残すかなどにも言及するなど、CEOとして大きな決断を今後もしていきそうだ。
人事については色々な意見があると思うが、部長級人事などにもテコ入れをしており、少しずつ新CEOのカラーが現場に反映されるだろう。
ただ国内市場の厳しさはまだ夜明けが見えない。現状として国内市場には上級ラインナップとなるエルグランド、パトロールの導入を明確にしたのは明るいニュースだが、量販車種になりそうなキックスの導入時期はまだ未定(ガソリンとe-POWERの両立をしてほしい)。外国人役員は国内市場の厳しさを真正面から受け取っていないのでは、と懐疑的な日産社員も多くいる。
そして見誤ってはいけないのが日産の開発陣が日本で「売れるクルマ」を作れないのではない。売れるクルマを提案できない企画部署、販売戦略をきっちり立てられない販売・マーケティング部署。そして何より現場が絞ったアイデアに最終的なゴーサインを出さない、もしくはまるっと変えてしまう役員。色々な障壁が日産にはあった。
このあたりは今後に期待したいところだが、エスピノーサCEOは製品企画出身で、さらにはクルマ好き。彼であればどうにかしてくれそうとも思えた。
自動車メディアとしてはより収益性の高いモデルをリリースし、その土台をベースに「日産らしい」クルマを作っていってほしい。これだけのファンがいるのだから、日産の今後に大きく期待したい。
【画像ギャラリー】エスピノーサCEOは本物のクルマ好き!? パトロールがお好きでシルビアに思い入れアリ! ファンもCEOも望んでいるんだから夢の「S16」出すしかないでしょ!(14枚)画像ギャラリー
















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