C-HR ヴェゼル CX-30 激辛口!! 400万円以下SUV日本選手権

C-HR ヴェゼル CX-30 激辛口!! 400万円以下SUV日本選手権

 相変わらずの人気が続くSUV。売れ筋商品だけに、各社からのバリエーションも増えてきて、最近は走りの楽しさを追求したモデルも目立つようになってきた。

 そんな「ドライバーズSUV」の力作を揃え、乗り比べてみようというのがこの企画。車両価格400万円以下の国産4モデルを集めた。テスターは、レーシングドライバー、そしてGT-R開発のテストドライバーとして著名な鈴木利男氏だ。

 そのお眼鏡に適うクルマはあるだろうか?

●ラインナップ
・トヨタ C-HR GR SPORT
・ホンダ ヴェゼルツーリングModulo X
・マツダ CX-30 X Lパッケージ
・三菱 エクリプスクロス ブラックエディション

【画像ギャラリー】C-HR ヴェゼル CX-30 エクリプスクロス…最強ラインナップの画像をギャラリーでチェック!!!

※本稿は2020年2月のものです
文・写真:ベストカー編集部/撮影 平野 学
初出:『ベストカー』 2020年3月26日号


■マツダ CX-30 X Lパッケージ

●「リアサスがちょっとバタつくね」

●全長4395×全幅1795×全高1540mm、ホイールベース2655mm、最低地上高175mm、車重1550kg ●2L+マイルドハイブリッド ●180ps/22.8kgm(モーター6.5ps/6.2kgm)●6AT ●371万3600円

 話題の圧縮着火ガソリンエンジン、2L SKYACTIV-Xを搭載するCX-30の「X」シリーズ。その最上級グレードであるLパッケージ4WD(371万3600円)に試乗。利男氏もこの新エンジンには興味津々のようだが……。

●鈴木利男氏の試乗

 低回転域ではちょっと非力に感じるかな?

 フロントサスペンションはいいね。剛性があってガッシリしているのに動きはしなやか。

 でも、リアは路面からの入力を吸収しきれなくて、ちょっとバタバタしている。トーションビーム(リアサスペンション)の限界を感じるところですね。

 アクセラ(マツダ3の前身モデル)はリアがマルチリンクだったよね。

 あれは凄くよかったんだけど、なぜトーションビームにしちゃったんだろう? いろんな事情があるんだろうけど、もったいないですね。

最近のマツダ車らしく、エクステリアの質感の高さも相当なもの。こちらも品のよさが際立つデザイン

 それとブレーキも違和感がある。ペダルを踏んだ時に、ストロークは増えているのに減速Gが増えない。

 最初に強めに踏んで、そこから踏力を抜いてコントロールする設定にしているんでしょうが、それもリニアな反応ではないので、特にタウンスピードで走っている時に疲れます。

新開発SKYACTIV-Xエンジンは24Vのマイルドハイブリッドと組み合わせ、高出力と低燃費を両立している

 デザインと外観、内装の質感の高さは素晴らしい。それと座った時に腰のあたりのスキマが少ないシートもいい。その魅力は大いに感じますが、走ってどうかといえば、期待値には届いてないなというのが正直なところです。

 SKYACTIV-Xエンジンも走りの印象としては特に際立ったところはなかったかなぁ。

CX-30の最大の魅力は上品かつ上質なインテリア。「歩くように走る」を目指した新開発シートも秀逸なアイテム

●鈴木氏「走りの結論」

 フロントサスペンションは素晴らしい。あとはもう少し頑張りましょう。

■トヨタ C-HR GRスポーツ

●「リアが路面に張りついている印象」

●全長4390×全幅1795×全高1550mm、ホイールベース2640mm、最低地上高140mm、車重1400kg ●1.2Lターボ ●116ps/18.9kgm ●6MT ●273万2000円

 スポーツSUVの代表格、CH-Rに加わったGRスポーツ。今回試乗したのは直4、1.2Lターボエンジンで発進補助や自動ブリッピング機能が付いた6速iMTモデル。車両価格は273万2000円で今回の4車のなかで最も安い。

●鈴木利男氏の試乗

 うん、いいね、これ! 乗り心地もいいし、コーナリングも安定している。特にリアサスペンション。ダブルウィッシュボーンは路面の追従性がやはりいいですね。

 フロントはかすかに動きの大きさを感じますが、リアがピタッと路面に張りついている印象。路面のギャップをきれいにいなしてくれるから、クォリティの高い走りを楽しめます。一般の方でもこのクルマに乗ると運転が上手くなったような気持ちになれるんじゃないかな。

質感はそこそこだが、スポーティさを演出するインテリア。発進補助や自動ブリッピング機能付きのiMTを搭載

 1.2Lターボエンジンは116ps/18.9kgmで、この数値どおり動力性能はたいしたことありません。上り坂ではずっと全開(笑)。凄くフラットなトルク特性で、谷もなければ山もない。実用的ではあるんですが、スポーツエンジンというのは無理がありますね。

 でも、逆にこのくらいが楽しいんじゃないかと思います。最近のクルマはパワーがありすぎ。このクルマも「もっとパワーが欲しい」という声が聞こえそうですが、ボクはこのエンジンでいいと思いますよ。

 今回試乗したクルマのなかで唯一のMTですが、シフトストロークはもう少し短いほうがいいですね。シフトダウンでの自動ブリッピングも少し遅れを感じます。

思い切ったクーペデザインでSUVの新境地を拓いたC-HR。GRスポーツはフロア下にセンターブレースを追加して剛性をアップ

 とはいえ、とにかくサスペンションが素晴らしい。高速コーナーで特に安定しているし、低速コーナーでも狙ったところにスッといける。いいな、これ。

 スポーティなハンドリングってこういうことをいうんじゃないかな。C-HRの1.2Lターボはベースモデルもよくできていて、ベースがいいからGRスポーツもこうしていいクルマになるんでしょう。ハイブリッドは重くなるから、ドライビングを楽しみたいなら1.2Lターボがお薦めです。

専用サスペンション、専用電動パワステ、専用内装などを採用。1.2Lターボのほか1.8Lハイブリッドもある

●鈴木氏「走りの結論」

 適度なパワーのエンジンによくできた足回り。速くはないけど、安定感が抜群で、ドライバーズSUVとして理想的な1台。

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