人気車と不人気車で天と地の差? 残価設定ローンの長所と短所

軽自動車、ミニバン、SUVは人気ゆえ残価率が高い

キング・オブ・ミニバンのアルファードの3年後の残価率はモデルが古いにもかかわらず50%を超えているのは、高年式中古車の人気が高いため

 残価率の高さは、主にリセールバリュー(中古車として再販売する時の価値)で決まる。中古車として高値で売られる車種なら、残価率も高く、月々の返済額を抑えられる。

 リセールバリューと残価率の高いクルマの条件は、大きく分けて2つある。

 ひとつ目は人気車であることだ。多くのユーザーが欲しがるクルマは、中古車として売る時も高値にできる。グレードやボディカラーも人気のタイプを選ぶ。軽自動車やミニバンであれば、エアロパーツを装着したグレードの残価率は概して高い。

長い納車待ちが続いているスズキジムニーは、残価率も高い。軽自動車ということに加え、SUVというのが大きい。当面この人気は続くだろう

 また最近はSUVの残価率も上昇している。車種によっては海外市場で人気が高く、中古車輸出も活発に行われ、国内の中古車流通量が減って残価率を押し上げている場合もある。

 ふたつ目の条件は設計が新しいことだ。発売から時間の経過した車種は、3~5年後には中古車市場にたくさん流通している。

 そうなると中古車価格が値崩れしてリセールバリューも下がるが、新型車を買えば、3~5年間使っても中古車市場の流通量はまだ増えていない。残価率も高められる。

 残価率の高い車種は、販売会社の利益に繋がるので、積極的に売りたいと考えている。そこで例えば「300万円前後のクルマを残価設定ローンで買いたいが、月々の返済額を抑えられる車種はどれ?」という具合に尋ねると、具体的な車種を教えてくれる。

人気コンパクトカーのアクアの3年後の残価率は40%を切っている。モデルが古いこと、3年以内に新型に切り替わることが要因となっている

 またメーカーのウェブサイトにアクセスすると、見積りシミュレーションといったページが用意されている(各車種の解説ページからも飛べる)。

 欲しい車種のグレードやボディカラーを打ち込むと、税金や自賠責保険料と併せて、残価設定ローンの計算も可能だ。

 月々の返済額や残価率(最終回支払い額÷割賦元金×100=残価率/%)もわかる。購入の候補車種をいくつか想定して、好条件の車種を選ぶ方法もある。

人気車と不人気車では支払額に大きな差

 トヨタのウェブサイトを使って、具体例を見ていこう。

 トヨタモビリティ東京におけるライズ4WD・G(213万3700円)の見積りをシミュレーションすると、3年後の残価率は51%だ。3年間の均等払いで、月々の返済額は3万9300円になる。

ライズはデビュー時に購入者の80%近くが残価設定ローンを利用していたという。残価率が高いため、月々の支払い額が少なくてすむ

 いっぽう、ポルテG(201万4100円)で同じようにシミュレーションすると、3年後の残価率は36%と低い。3年間の均等払いで、月々の返済額は4万4900円になる。

 価格はライズが約12万円高いのに、月々の返済額は逆転して、ポルテに比べると5600円安い。

 初回支払い額を含めた3年間の返済総額を比べると、ライズは137万7555円、ポルテは157万2625円だ。

ポルテはモデルも古く販売も芳しくないこともあり、3年後の残価率が低い。この手のクルマは残価設定ローンの利用には向いていない

 SUVのライズは人気車だから残価率が高く、コンパクトカーのポルテは不人気車だから低いという違いで、3年間の返済額に約20万円の差が生じる。

 その代わり3年後の残価となる最終回支払い額は、ライズが108万8187円、ポルテは72万5076円だから、残価を支払って車両を買い取ると、ライズのメリットは失われてしまう。ポルテの不利もなくなる。

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