廃車まで使うなら現金もあり
それに対し現金で購入して廃車にするまで使うなら、リセールバリューの有利と不利は生じない。好きなクルマを買えばいい。不人気車を大幅値引きで買う方法もある 。
今の日本車では大幅値引きの車種は減ったが、輸入車はメーカーから販売報償金が支給されることもあり、今でも大幅値引きをすることがある。
フルモデルチェンジの直前になると、車両価格が500万円で、値引きが100万円といった20%値引きも見られる。このような買い方をすれば、数年後の売却額は大幅に下がるが、廃車にするまで使うなら問題にならない。
逆に残価設定ローンを有利に利用するなら、先に述べたように自分の好みはある程度抑えて、残価率の高い車種を選ぶ必要がある。そして3~5年ごとに乗り替える。
常に多額の債務を抱えていることを忘れずに
残価設定ローンには、使う時の注意点もある。月々の返済額が安いので、常に多額の債務を抱えることだ。
契約から数年後に自損事故を起こした場合、車両保険の車両評価額が低下したのに債務はあまり減らず、車両保険を全額ローンの返済に充てても残債が生じる場合がある。
また追突事故の被害に遭った時など、ユーザーに過失がなくても、その車両に事故歴が付いてしまう。そうなると契約期間が満了して車両を返す時に精算が生じるが、追突事故の加害者にこの精算金額まで損害として請求することはできない。
車両保険の新車特約(車両新価特約)に加入しておけば、車両に50%以上の損害が生じた時には新車価格相当額の保険金が支払われて新車に乗り替えられるが、保険料の上乗せは小さくない。
このほか走行距離が1カ月当たり1000km以下といった規定もあり、これを超えると1km当たり5円前後の精算が生じる。大きなキズが付いた時も同様だ。
従って残価設定ローンを利用するなら、車両を借りている気持ちで大切に使うことが求められる。また追突事故の被害に遭った時の損失など、リスクの負担も生じる。
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