現行スイフトの販売推移
2017年以降の現行スイフトの販売推移は以下のとおりだ。
■2017年:3万8324台
■2018年:3万6628台
■2019年:3万3238台
前述した月間販売目標台数には若干届いていないものの安定している。
またもっとも近いライバル車となるデミオ&マツダ2の同時期の販売台数を見てみると以下のとおりだ。
■2017年:4万9302台
■2018年:4万8182台
■2019年:3万7892台
データからはデミオ&マツダ3に対して見劣りするようにも感じる。
しかしスズキのコンパクトカーにはスイフトと似た価格帯でプチバンのソリオとクロスオーバーのクロスビーも存在する。
●ソリオ
■2017年:4万9742台
■2018年:4万4884台
■2019年:4万4488台
●クロスビー
■2018年:3万0624台
■2019年:2万4108台
販売台数を見ると、どちらも堅調だ。
ド真ん中のコンパクトカーとなるスイフトと似た価格帯にこういったモデルがあれば、「スズキにクルマを見に来たユーザーがソリオやクロスビーに流れる」ということがあるのは当然で、この点を考慮すればやはりスイフトの販売推移は堅調と断言できる。
スイフトの販売が堅調な3つの理由
スイフトの魅力は軽量なことも大きく後押しする。スイフト(英語で軽快、快速の意味)という車名にふさわしい走りや燃費のよさも浮かぶ。
しかし筆者は普通にクルマを使う一般ユーザーにとってそれらは当たり前のことで、スイフトを選ぶそれほど大きな要因ではないと考えている。
ではそれ以外のスイフトの販売が堅調な理由を考えてみる。
(1)2代目モデルからコンセプトがブレていない
もちろん時代の変化や見誤りがあればコンセプトを変えるのは大事なことだが、正しいと確信しているのであればフルモデルチェンジがあってもコンセプトを変えないというのも、それはそれでユーザーへの信頼を高める有効な手段ともいえ、2代目モデル以降のスイフトはまさにそれに当てはまる。
(2)1.2Lガソリン車がリーズナブル
一般ユーザーが標準系のスイフトを選ぶ際には、費用対効果などを考えると1.2Lガソリン車だけを考えればいいと筆者は思っている。
その場合スイフトのベーシックな1.2Lガソリン車の価格は前述の自動ブレーキ&運転支援システムやLEDヘッドライトを着けて150万円台と、一番のライバルとなるマツダ2が似た内容だと1.5Lエンジンというアドバンテージはあるにせよ190万円程度になるのを考えると、非常にリーズナブルだ。
(3)スイフトスポーツの存在
スイフトスポーツは現行モデルも含め、2代目以降ホットハッチの定番商品として実に完成度が高い。
さらに初代モデルから一貫して価格も内容を考えたら激安で、現行スイフトスポーツはMTだと自動ブレーキ&運転支援システムを着けて195万8000円といつ見ても信じられないくらい安い。
さらに現行スイフトスポーツはエンジンが高回転域での面白みに欠けるところはあるのだが、そのぶんATとの相性がバッチリでアダプティブクルーズコントロールが着けられることもありスモールGT的に使うというのも面白い。
またスイフトの中での標準系のRSとスイフトスポーツの価格差を見るとRSのエンジンによっても違うが15万円から25万円程度しかない。
「この価格差ならスイフトスポーツにしたい」と考えるユーザーがいるのも当然で、スイフトスポーツはスイフト全体の3分の1前後を占めており、コンスタントに月に1000台前後が売れているというのもよくわかる。
ただ見方を変えるとスイフトスポーツが安すぎることが、RSやハイブリッドといったベーシックモデル以外のスイフトの存在意義を希薄にしているような気がしないこともない。
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