期待していたのに見せただけ!? 市販されなかった復刻カー5選

スバルエルテン

公開:1997年東京モーターショー(スバル360をオマージュ)

スバルの名車360のデザインをオマージュしたエルテンは、東京モーターショー1997でもかなりの話題になった。フロントのスリット、丸目がキュート

 空冷2気筒エンジンをリアに積むRRとなるスバル360は当時の軽自動車ながら家族4人が乗れるスペースを確保し、日本の自動車黎明期に大衆に自由な移動を与えた点を代表にモータリゼーションを切り開いたという意味で歴史的なモデルだった。

 そのスバル360の復刻版的存在として1997年の東京モーターショーに出展されたのがエルテンである。

 エルテンはほぼ現在の軽自動車のサイズを持ち、ドアはスバル360の2ドアに対し右側は前のみ、左側は前後の3ドアというユニークなもので、全体的なスタイルもスバル360を思い出させる仕上がりだった。

東京モーターショー1999では360カスタムをオマージュしたエルテンカスタムに進化。しかしこちらはエクステリアが平凡すぎて魅力薄だった

 スバル360は軽量化のため当時珍しかったモノコックボディを使い、ルーフは樹脂製、リアウィンドウはアクリル製、エクステリアの細部パーツはアルミ製と見方によっては現代のクルマより進んだところがあるくらい先進的だった。

 エルテンも660ccの4気筒エンジンにCVTを介した4WDとなる1モーターハイブリッド(モーターは41ps!)で、駆動用バッテリーに加え放電性能に優れるキャパシタまで備えており、未来的な技術を持つという点もスバル360譲りだった。

日本の国民車であり名車のスバル360。エルテンで復刻するかと期待されたがエルテンは市販されず。コンセプトはR1に引き継がれた

 エルテンは1999年の東京モーターショーで車体をプレオベースとしたエルテンカスタムに進化したが、市販化には至らなかった。

 今になるとクルマはともかくとしてこのハイブリッドシステムだけでも世に出てほしかったと強く感じる。

 ただ2004年にリアシートを小さくしたシティコミューター的な軽自動車として登場したR1が、若干ながらスバル360のコンセプトを受け継ぎ、360のニックネームだった「てんとう虫」というフレーズを随所に使っていたことはエルテンにとって救いだったかもしれない。

マツダスピードコスモ21

公開:2002年東京モーターショー(コスモスポーツをオマージュ)

2代目ロードスター(NB)をベースにコスモスポーツをオマージュしたエクステリアデザインのボディを架装したコスモ21。21は21世紀を意味している

 1967年登場のコスモスポーツはいまだに量産化に成功したのはマツダだけとなっているロータリーエンジンを、世界で初めて搭載した量産車というだけで自動車の歴史に残るモデルである。

 そのコスモスポーツを復刻版となるのが、2002年の東京モーターショーにマツダ産業(マツダE&T)が出展したコスモ21だ。

キャビン形状はそのままロードスターだが、フロントよりはリアのほうが雰囲気がある。RX-8に先駆けてRENESISを搭載していたのにはビックリ

 コスモ21は当時現役だった2代目ロードスターをベースにコスモスポーツをイメージした内外装を持つという成り立ちで、エンジンはその時点では登場前だったRX-8のNA2ローターのRENESISを搭載していた!

 コスモ21は内外装に加え「ロードスターに燃費は悪いけどコンパクトなロータリーエンジンを積む」という走りのコンセプトも非常に興味深いもので、反響も大きかった。

世界の自動車史に名を残すコスモスポーツ。ロータリーも凄いが、1967年デビューでこの斬新なエクステリアにも驚かされる

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