ボルボの新世代パワートレイン「Drive-E(ドライブ・イー)」に、新たな電動ユニットが仲間入りした。現在、展開されるのは、電動4WDを備えるプラグインハイブリッド「Twin Engine(ツインエンジン)」だが、今回、投入されるのは、ボルボ初のマイルドハイブリッド仕様となる。
新ハイブリッドの詳細に加え、導入を飾る特別仕様車についても合わせてお伝えしよう。
文:大音安弘、写真:ボルボ・カー・ジャパン
【画像ギャラリー】ボルボ新パワートレイン”B5”搭載のXC60とXC90! 限定車も用意
新電動パワートレイン「B5」を日本初導入
ボルボ・カー・ジャパンは、2020年4月23日、ボルボ初の48Vハイブリッドパワートレイン「B5」を日本導入を発表。ミッドSUV「XC60」とラージSUV「XC90」の2モデルに、搭載グレードを設定し、同日より発売を開始した。
「B5」のグレード展開は、モデルにより異なる。XC60は、2グレードの展開で、中間グレードの「B5 AWD モメンタム」が、634万円。上級グレードの「B5 AWDインスクリプション」が734万円となる。
一方、フラッグシップSUVでもあるXC90では、「B5 AWD モメンタム」の1グレードのみで、824万円となる。
今回、投入される「B5」モデルは、全て右ハンドル仕様の4WD車だ。
48V ハイブリッドパワートレイン「B5」とは!?
新登場のパワートレイン「B5」は、ボルボが新開発した48Vのハイブリッドシステムを搭載したガソリンエンジンのマイルドハイブリッド車だ。
「B5」のハイブリッドシステムは、2.0Lの4気筒DOHCターボに、ISGM(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター・モジュール)と48Vリチウムイオンバッテリーを組み合わせたもの。
ISGMは、エンジンスターターモーターの役目を備えた発電機だ。回生エネルギーを含めた発電を行い、その電力を専用のリチウムイオンバッテリーに充電する。
モーター機能を活かしたエンジン負荷軽減のアシストも行うが、最大のメリットは、滑らかなエンジンスタート機能だろう。
これにより、アイドリングストップ後の再始動が、スターターモーターで行うよりも、静粛性に優れ、振動も抑制ができるため、乗員の快適性高められるのだ。
既存エンジンに、ハイブリッドシステムを足しただけでなく、エンジン本体にも改良が加えられているのも特徴のひとつ。
内部のフリクション低減を図るシリンダーの表面処理の改良や気筒休止機能の搭載などを採用することで、効率を向上。改良エンジンと電動化の相乗効果で、走行性能と燃費の両面を磨き上げた。
B5のエンジン性能は、最高出力250ps/5400~5700rpm、最大トルク350Nm/1800~4800rpmを発揮。トランスミッションは、8速ATを組み合わせる。
燃費消費率は、XC60が11.5km/L、XC90が10.9km/L(共にWLTCモード)と公表されている。
新たなシリーズエントリーを担う「B5」
従来のラインアップには、「XC60」と「XC90」のエントリーモデルとして、ガソリンエンジンの「T5」を用意していたが、「B5」の登場により、置き換えられた形だ。このため、グレード構成も「T5」のものを引き継いでいる。
価格については、10万円前後の上昇となるが、今年1月よりモデル全体で、価格改定が行われ、少し値上げされている。実質的には、数万円程度の差に収められているようだ。
ちなみに、エンジン性能は、「T5」とほぼ同等のものを備えている。
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