発売後即完売で増産 人気沸騰した限定車の哀歓

フェラーリF40

販売期間:1987~1992年(350~400台限定)

フェラーリF40:全長4357×全幅1970×全高1124mm、3L、V8DOHCツインターボ(478ps/57.5kgm)、価格:4500万円

 F40はフェラーリ社創立40周年を記念したスペシャルモデルとして、フェラーリ創始者のエンツォ・フェラーリ氏が90歳で逝去する約1年前となる1987年7月に登場した。

 F40のコンセプトはズバリ「公道を走れるレーシングカー」という超スパルタンなスーパーカーである。

 そのためカーボンボディとすることなどで車重1250kgを実現した車体に478psの3L、V8ツインターボを搭載。快適装備はエアコンがあるくらいでパワステすらないという、コンセプトどおりの文字どおり財力含め限られた人しか乗れないクルマだった。

今でも圧倒的な存在感を誇るF40は、バブル最盛期には2億5000万円程度まで価格が上昇。一時下がったが再び高騰中で、軒並み1億円オーバー!!

 F40は当初350~400台限定で発売され、日本での価格は4500万円だった。

 だがF40は世界中から注文が殺到し、「注文がある限り生産する」ということに方針変更となった。これはフェラーリ社が「F40が投機の対象となるのを防ぐため」、そのように変更したといわれている。

 最終的には1992年までに約1300台が生産・販売されたということで、当初の限定台数の4倍近い数が生み出されたことになる。

 それでもF40は、特に日本ではバブル景気の絶頂期だったこともありいつ手に入るかわからない新車に対し、現物のある中古車や並行輸入車の価格が億を超えることが当たり前だった。

 やがてバブル景気が崩壊するとさすがのF40も値崩れし、大損した人が大勢いたほか、F40に対してはF1ドライバーですら「雨の日はガレージから出してはいけない」と語るなどの逸話が残っており、F40は未だにバブル景気を代表する存在のひとつとなっている。

公道を走れるレーシングマシンのコンセプトのもと、当時のスクーデリアフェラーリのドライバーも開発に携わっていた。すべてがスパルタン

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