飲酒運転の摘発件数はいまだ年間約2万件――。そんな深刻な社会課題に対し、東海電子が約2万人規模の市民意識調査を実施した。注目は、飲酒運転検挙者への「アルコールインターロック義務化」に7割超が賛成した点だ。クルマ社会の安全をどう守るのか、再発防止策の現実味に迫る。
文:ベストカーWeb編集部/画像:PRTimes
【画像ギャラリー】飲酒運転は防げるのか? 2万人調査で見えた新対策(9枚)画像ギャラリー飲酒運転検挙者へのインターロック是非を2万人にアンケート
飲酒運転による事故や摘発のニュースは後を絶たない。そんな中、自動点呼システムやアルコール検知器を手掛ける東海電子株式会社が実施した約2万人規模の市民意識調査が、大きな注目を集めている。
今回の調査で特に目を引くのは、「飲酒運転検挙者へのアルコールインターロック義務化」に71.2%が賛成したという結果だ。これは“飲酒後はクルマを動かせない仕組み”への社会的理解が、想像以上に広がっていることを意味する。
そもそもアルコールインターロックとは、運転前に呼気検査を行い、基準値以上のアルコールが検知された場合はエンジン始動を制限する装置のこと。欧米では導入が進んでおり、再犯防止策として一定の成果を挙げている。
一方、日本では認知度がまだ低い。今回の調査でも、83.2%が「知らない・聞いたことがない」と回答している。つまり、“必要性は感じているが、具体策はまだ浸透していない”という実態が浮かび上がったわけだ。
飲酒運転は「他人事ではない」という現実
調査では、約4人に1人が飲酒運転を目撃した経験があると回答。さらに、自身または家族に飲酒運転関連の問題があった人は6.3%にのぼった。
これは決して特殊な問題ではない。特に地方では「少しなら大丈夫」「代行が捕まらない」といった油断が、今なお根強く残るケースもある。クルマが生活インフラとなっている地域ほど、“飲酒後の移動手段”は深刻な課題だ。
さらに今回の調査では、飲酒問題によって「家族関係にひびが入った、または入る可能性がある」と回答した人が69.2%に達した。飲酒運転は単なる交通違反ではなく、家庭や仕事、人間関係まで壊しかねない社会問題であることが改めて示された格好だ。
興味深いのは、インターロック導入への“現実的な壁”も明確になった点である。購入意向は60.6%と高い一方、「費用補助が必要」と答えた人が45.1%を占めた。つまり、制度化だけでなく、補助金や公的支援も普及のカギになるというわけだ。
クルマ業界ではADAS(先進運転支援システム)や自動運転技術が急速に進化しているが、“事故を未然に防ぐ”という意味では、アルコールインターロックも重要な安全装備のひとつになり得る。
実際、飲酒運転は「注意不足」ではなく、“そもそも運転させない”仕組みづくりが最も有効とも言われる。シートベルトやESC(横滑り防止装置)が普及したように、将来的にはインターロックが“当たり前の安全装備”になる可能性もあるだろう。
もちろん、機器導入だけですべてが解決するわけではない。東海電子も指摘するように、飲酒問題は本人だけでなく家族や周囲を巻き込むケースが多く、相談体制や医療支援との連携も欠かせない。
それでも、“飲酒したらクルマは動かない”という物理的な仕組みは、悲惨な事故を減らす大きな一歩になるはずだ。クルマ社会の安全を支える技術として、今後さらに議論が進みそうである。











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