半年クルマを動かさなかったらどうなるか?
上記に加えて、半年放置されたクルマで心配なのが「ガソリンの劣化」です。ガソリンタンクの中は密閉されてはいますが、タンク容量に対してガソリンが少なければ、その隙間に空気があるわけで、その空気が多ければ多いほど、劣化が早まってしまいます。
ガソリンは空気に触れたまま長期間放置されると、ガソリンの中の高揮発性成分が消失、揮発しにくい高粘度成分だけが残留し、流動性が悪化、ドロドロな状態となります。
この状態のガソリンでエンジンをかけてしまうと、ガソリンタンクや配管部などの、金属部の腐食を促進してしまったり、燃料配管や噴射弁などが詰まり、エンジンの始動不良のみならず、最悪の場合、エンジンが破損してしまうこともあります。
ガソリンが満タンで、タンク内の空気が少ない状態で放置されていたとしても、半年経過したガソリンは使わずに入れ替えることをお勧めします。ただし、ガソリンは危険物ですので、自分では行わず、専門家に任せてください。
そのほかにも、オイルシールなどのゴム製品の硬化や固着も考えられます。タイヤもそうですが、ゴム製品は、伸び縮みをすることで柔軟性を保つことができ、放置されると劣化は早まります。
1年以上クルマを動かさなかったらどうなるか
さらに1年以上放置されていたクルマでは、上記に加えてブレーキやボディ関連の部品が錆びついていることが考えられます。
ブレーキのローター表面の錆だけならば、少し走行すれば元に戻せますが、摩擦材がブレーキローターと固着してしまったり、ボディに錆が浮いてしまいクルマへ乗り込んだ瞬間に、「ミシミシ」と、亀裂が発生してしまうようだと、もうどうにもなりません。
まとめ
海外出張や長期旅行、長期入院などで、どうしても長い期間、クルマを使うことができない場合は、できるだけ屋根付きの駐車場を確保し、ガラスに日よけなどをつけた上で、ガソリン満タン、バッテリーのマイナス端子を外す、タイヤの空気圧を上げる、エンジンオイルを保持性の高いオイルに替える、などの措置をしておくと、ダメージが少なくて済みます。
3か月、とまではいかなくとも、1か月放置されたクルマには、「リハビリ」が必要です。走り出しは速度を抑え、ブレーキの効き具合や、エンジンに異常振動がないかなど、クルマの調子を見ながらの走行をお薦めします。
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