ライバル「フリード」との決定的な違いとは?
シエンタのよきライバル関係にあるのが、ホンダのフリードだ。フリードと2列シート車のフリード+は、2019年の10月に行われたマイナーチェンジで、エクステリアにクロスオーバースタイルのテイストを持たせたモデル、「CROSSTAR」(クロスター)を新設定している。
フロントグリルとバンパー、サイドシルガーニッシュ、リアロアスポイラー、ルーフレール、専用アルミホイールなど、標準モデルと異なる専用エクステリアが与えられ、アウトドアをイメージさせるデザインに寄せてはいるが、「アウトドア風味」といったところ。シエンタの徹底ぶりに比べると、実にささやかな変更だ。
従来のフリードがとっている戦略は、ややシティ寄りのカスタマイズの方向だ。都会をスタイリッシュに颯爽と駆け抜ける、そんなイメージに合わせている。
熟練エンジニアが磨き上げた走りの良さを打ち出した「フリードモデューロX」も提供している。
ちなみに、現行フリードをベースとしたモデューロXが、5月29日に発売開始した。足回りの強化と、新デザインのアルミホイールなど、新装備が装着となる。
「モデューロ」は、ホンダが大切に育てているブランドだ。コンパクトミニバンに足を引き締めたバージョンを出すことが正しいのか、というのは疑問が残るものの、トヨタが「GRシエンタ」を出す可能性はまったく考えられないことを加味すると、フリードは差別化した良い戦略をとれているのではないか、と筆者は考える。
まとめ
新型ヤリスに搭載されている、1.5L直3ガソリンエンジンやハイブリッド、そしてTNGAプラットフォームのGA-B型を使ったコンパクトカー派生車が、このあと順次登場してくると思われ、次期型シエンタも、そう遠くないうちにお披露目されるのでは、と考えられる。
そのシエンタの、強力なライバルとなりそうなのが、日産から出ると噂されている、3列シート後席スライドドアの新型コンパクトミニバンだ。
そのクルマが次期型ノートになるかは定かではないが、日本市場に最も適したカテゴリだけに、攻め込んでくることは間違いない。
シエンタの独走はこのまま続くのか、コンパクトミニバンの動向からは目が離せない。
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