コロナ禍で自動車盗が減少? 愛車を守る6つの備えと今後の展望

■今後クルマの盗難認知件数はどうなる?

 新型コロナウイルス感染防止のための緊急事態宣言はすでに全国的に解除されており、人の動きが回復すれば、それに伴ってクルマを含めた乗り物の盗難ももとに戻るか反動で増加するというのはごく順当なひとつの展望だ。

 しかし、筆者は最近所用で行った新車ディーラーで「新型コロナウイルス禍による物流の停滞、景気の悪化により中古車の輸出が減っているため、結果的にクルマの査定額も下がっている」という話を聞いた。

 このことを頭に置くと、盗難されたクルマは解体するなどして輸出されることも多く、クルマが輸出できなければ足が付かないよう即処理したい盗難したクルマの処理に困る。

 そのため、いずれはクルマの盗難がもとのように戻ると想定する必要はあるにせよ、当面の間か状況によってはワクチンが開発され新型コロナウイルスが完全に収束するまで、輸出の影響でクルマの盗難も減少するということも考えられる。

■クルマの盗難防止対策

 残念ながらクルマの盗難が減っても、クルマの盗難は輸出目的など大がかりな窃盗団による犯行が多いと言われているだけに、ゼロになるということは考えられず、今一度盗難防止対策を紹介したい。

●ノーマル状態で盗難されにくいクルマを選ぶ
 これからクルマを買うのであれば、キーでエンジンを掛けるクルマならキーの形が合致すれば解錠はできても、キーとクルマの交信が合致しないとエンジンが掛からないイモビライザー付きを、物理的なキーではなくスタートボタンでエンジンを掛けるスマートキーのクルマを選ぶというのが第一段階だ。

 しかし、スマートキーについてはここ数年スマートキーが常に微弱電波をキャッチし、解錠しエンジンを掛けて盗難する「リレーアタック」と呼ばれる犯罪も急増している。

 そのため微弱電波を遮断するためスマートキーを自宅での駐車中なら鉄製のお菓子の空き缶などに仕舞う、外出中ならスマートキーにそういったカバーを着ける、不便にはなるもののスマートキーから微弱電波を出さずスマートキーのボタンで施錠&解錠を行い、スタートボタンでエンジンを掛けるモードにするといった対策も考えたい。

急増している自動車盗難の手口「リレーアタック」の対策用ポーチ。このポーチにスマートキーを保管することで、リレーアタックによるスマートキーへの通信を遮断し、駐車場にある愛車の解錠を防止できる

●一番盗難されやすいドアロックなし、キーを着けたまま、スマートキーを置いたままでの駐車をしない

●駐車場所
・自宅駐車場の場合
 鍵の掛かる扉やゲートがあれば安心度は増す。また前後に2台駐車するなら盗難の際の被害が少ないほうを前にするという手はある。

・コインパーキングなどの場合
 なるべく人通りが多く、街灯があるなど明るいところを選びたい。また屋内の駐車場のほうが、屋外の駐車場に対し盗難に遭う可能性は格段に減少する。

●セキュリティはあればあるほど盗難に遭いにくい
 泥棒は失敗や現行犯逮捕につながることもあり、盗むのに時間 & 手間が掛かるものは避ける。そのためセキュリティを少しでも強固なものにするというのは非常に有効だ。

 安価なものではダミーでもいいので「盗難防止装置装着車」というステッカーやセキュリティライト、ハンドルロックやタイヤロック、セコムなどの警備会社やトヨタ車のコネクテッドによるGPSを使った追跡や警備員の追跡サービスなど、セキュリティの手段は現在数え切れないほどある。

●パーツの盗難防止
 クルマそのものでなくとも、犯罪に悪用するためのナンバープレート、タイヤ&ホイール、カーナビといったパーツの盗難も絶えない。

 対策としてはそれぞれのボルト、ナットをロックタイプとし盗難されにくくする、最近は減っているがオンダッシュのカーナビならカバーを掛ける、取り外しできるPND(ポータブル・ナビゲーション・デバイス)やタブレットは、駐車中外して持ち歩くといったことが浮かぶ。

屋外保管用のボディカバーも、クルマの傷を防いでくれるだけでなく、パーツや車内にあるものを物色されることを防いでくれる。また、はがす際に音が出るため、抑止効果も期待できる(KATSU@Adobe Stock)

●車両保険に入る
 極端なことを書くと、窃盗団は「狙ったクルマを最後はフォークリフトで持ち上げるなど、どんな手段を使ってでも盗難する」と聞く。つまり交通事故のようにどんな注意しても「遭うときは遭う」というのも事実だ。

 そのため、盗難に遭った際に最終的に頼りになるのは保険であり、総合的に判断して「盗まれたら困る」というクルマには盗難もカバーされるエコノミータイプを含めた車両保険の加入も考えたい。

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