新型ハリアー登場で超激戦区!! ライバルSUVが勝る「長所」はあるのか

実用性と割安さではエクストレイル&フォレスター優勢

 ハリアーは内装や装備が充実する代わりに価格も高く、2Lエンジンの「G」(2WD)は341万円だ。

日産エクストレイル 20Xi(2WD) 304万5900円~
日産エクストレイル 20Xi(2WD) 304万5900円~

 エクストレイル「20Xi」(2WD)の304万5900円、フォレスターに2.5Lエンジンを搭載した「プレミアム」の308万円を大幅に上まわる。エクストレイルやフォレスターがミドルサイズSUVなら、ハリアーはLサイズの価格設定だ。

 言い換えればエクストレイルやフォレスターを選ぶメリットは、優れた実用性と割安な価格にある。

フォレスター 特別仕様車X-Edition(2019.11) 317万9000円~
フォレスター 特別仕様車X-Edition(2019.11) 317万9000円~

 ちなみにハリアー「S」(2WD)は299万円だが、前述の装備や上質なシート生地が採用されず、上級指向のSUVとしては物足りない。

 ハリアーとRAV4の違いも気になる。ハリアーが搭載する2Lノーマルエンジンと2.5Lハイブリッド、GA-Kと呼ばれるプラットフォームは、いずれもRAV4と共通化されているからだ。ホイールベース(前輪と後輪の間隔)も2690mmで等しい。

キャラ異なる身内のRAV4が優る部分はある?

RAV4 Adventure 313万7400円~
RAV4 Adventure 313万7400円~

 ハリアーとRAV4は同じベースを使いながら、車両の性格は異なる。ハリアーは従来型を踏襲して、都会的で洗練されたシティ派SUVに仕上げた。

 RAV4は前輪駆動をベースにしたSUVでも、ランドクルーザーのような後輪駆動ベースのオフロードSUVに近い価値観を備える。

 そのためにRAV4では、2Lエンジン車、2.5Lハイブリッド車ともに、前輪駆動の2WDを選べるのはベーシックグレードの「X」のみだ。「G」以上はすべて4WDになる。

 ノーマルエンジンの4WDには、「G・Zパッケージ」とアドベンチャーというグレードがあり、ダイナミックトルクベクタリングAWDを装着した。

 カーブを曲がる時など、外側に位置する後輪に高い駆動力を伝えて、旋回軌跡が拡大するのを防ぐ。峠道や悪路のカーブでも、操舵角に忠実に曲がる。

新開発4WDシステム「ダイナミックトルクベクタリングAWD」の説明映像

 この機能はRAV4のハイブリッドには用意されず(ブレーキ制御で旋回性能は高めるが)、ノーマルエンジンを充実させた。つまり4WD+ノーマルエンジンがRAV4の主力だ。

 その点でハリアーは、ノーマルエンジンとハイブリッド、2WDと4WDをすべてのグレードに設定している。

 ハリアーとRAV4の価格を比べると、2Lエンジン車の場合、ハリアー「G」(4WD)が361万円、RAV4「G」(4WD)は326万1500円だ。価格はハリアーが約35万円高い。

ハリアーG“Leather Package” 361万円~
ハリアーG“Leather Package” 361万円~

 その代わりハリアー「G」には、アダプティブハイビーム、前後両方向の録画機能を備えたデジタルインナーミラー、カーナビ画面として使えるディスプレイオーディオなどを標準装着した。RAV4ではカーナビを別途オプション装着せねばならない。

 またリアクロストラフィックオートブレーキは、RAV4「G」には標準装着されるのに、ハリアー「G」ではオプションだ。装備によってはRAV4が充実することもある。

 こういった点まで踏まえて装備を価格に価算すると、ハリアーがRAV4よりも内外装を上級化させたことによる価格アップは約16万円だ。

 価格差が35万円だとハリアーが割高に思えるが、実際には装備も充実しているから、価格とのバランスではあまり差が付かない。

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