装備充実&割安さ目立つマツダ CX-5
なお今はハリアーのように都会的なSUVが増えて、ユーザーは飽食気味になり、オフロード感覚を備えた原点回帰的なRAV4が注目されている。
ハリアーとRAV4は、共通のベースを使いながら、異なるユーザーに受け入れられて売れ行きを伸ばしている。
マツダもSUVに力を入れる。ハリアーのライバル車としてイメージしやすいのはCX-5だろう。
2Lエンジンを搭載する「20Sプロアクティブ」(2WD)の価格は285万4500円で、ハリアーの「S」(2WD)は299万円だ。価格はCX-5が約14万円安い。
しかも装備はCX-5が充実しており、「20Sプロアクティブ」にも、リアクロストラフィックアラート、アダプティブLEDヘッドライト、リアゲートの電動開閉機能、19インチアルミホイール(ハリアー「S」は17インチ)などが標準装着される。
このようにハリアーに対するCX-5のメリットは、装備の充実と割安な価格だ。CX-5は先代型から価格の安さで人気を得ており、装備と価格を新型ハリアーと比べると、CX-5が35~40万円は割安になる。その代わり内装の質はハリアーが明らかに勝る。
価格の違いを考えると、ハリアーのライバル車に相応しいのは、CX-5よりもCX-8だ。CX-8は全車に3列のシートが装着されて内装も上質になる。海外で販売されるCX-9の幅を狭めた仕様だから(CX-5のロング版ではない)、乗り心地も快適だ。
CX-8の価格は、装備の違いを補正するとCX-5よりも約40万円高く、ハリアーとほぼ同額だ。
ハリアー「ハイブリッドG」の2WDは400万円、CX-8に2.2Lクリーンディーゼルターボを搭載する「XDプロアクティブ Sパッケージ」は、2WDが399万9600円になる。
装備水準も近い。CX-8「XDプロアクティブ Sパッケージ」は、リアクロストラフィックオートブレーキや360度ビューモニターなどを標準装着した。
ハリアー「ハイブリッドG」には、デジタルインナーミラーやエアバッグが作動した時などに自動通報される通信機能が備わる。内装の質は、CX-8もCX-5に比べると高められ、ハリアーとの優劣は好みの範囲に収まる。
そうなるとCX-8の魅力は、ハリアーよりも広い室内だ。CX-8の全車に標準装着される3列目シートは、ミニバンに当てはめるとコンパクトなフリードやシエンタと同等だが、国産SUVの3列目としては最も広くて快適だ。
クリーンディーゼルターボの動力性能も、ハリアーでは得られない魅力になる。その代わりハリアーは、内外装のデザインを洗練させ、ハイブリッド特有の静かで滑らかな運転感覚も味わえる。
まとめ
このように見てくると、ハリアーのライバル車は意外に車種数が限られる。基本部分を共通化したRAV4は、車両の持ち味が異なり、CX-8は3列シート車だ。
エクストレイル、フォレスター、CX-5は価格帯が違う。そしてハリアーは思い切り都会的で上質に造り込んだ。
人気が高く車種の増えているSUVでありながら、直接的な競争関係が生じにくいことも、ハリアーが高い人気を得られた秘訣なのだろう。
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