月に200店舗のディーラーを回り、新車情報や販売状況を調べる「販売の鬼」、流通ジャーナリスト遠藤徹氏。『ベストカー』でも連載を持ち、当サイトでもたびたび人気車の値引き情報や新車情報などをレポートしてくれる。
そんな遠藤氏にここで「輸入車でも思いっきり値引き交渉していいものなんですか」と聞いてみた。
なんとなく「お金持ちが買う車」というイメージがあるし、こざっぱりした輸入車ディーラーに行くと「まさかお金の話なんかしませんよね?」という雰囲気を出してくる営業マンも多い。
そういう場所で「で、これいくら安くしてくれんの?」って聞いていいものなのでしょうか? そこのところぜひ教えてください!!
文:遠藤徹
■輸入車ディーラーで「で、値引きはどれくらい?」と交渉していいのか?
当然してもかまわないし、むしろ積極的に交渉すべきだ。ただ国産車と状況が同じとそうでない事情があるので、それを念頭に置く必要がある。
発売したばかりのニューモデルは売り手市場だから、渋ちん(編集部註/遠藤氏の好きなワード。意味は「値引きが渋い」)であり、その後時の経過とともに拡大して行くのは共通している。人気の高いモデルもガードが固いのも同様である。
■狙うなら7〜8月、つまり今だ!!!!!
国産車と異なるのは、輸入車にはモデルイヤーがあること。昔ほどきちんとしてないが、多くは毎年9~10月あたりに切り替えがスタートし、翌年の8月あたりに終了するまで順次「その年の仕様」に小変更を実施していく。
新しいイヤーモデルになると細かく一部改良、仕様変更して価格も改定し、そのたびに値引き幅はシビアになり、その後、時の経過とともにゆっくり拡大して行く。
つまり7~8月になると次のモデルイヤーを控えて「在庫一掃セール」になるので、大盤振る舞い状態に入り、買い時となる。
ただしフルモデルチェンジ、マイナーチェンジなど途中で行われる場合はこれにこだわらず、モデルの切り替え前は在庫一掃セールで安くなり、新型車の発売直後はきつくなる。
■そもそも値引き幅は国産車と違うのか?
一般的には車両本価格の5%程度が値引きの限度額となっている。国産車だと7~8%あたりだ。こうなると輸入車の方が値引き幅は小さいといえるが、輸入車は車両価格が高いので絶対的な値引き額は高いケースが多い。
VW、プジョー、シトロエン、ルノーなどコンパクトクラスのモデルは国産車と同じかモデルによってはきつくなる。
ただナビ、オーディオ、アルミホイールなどディーラーオプションは価格の20%くらいの値引き幅があり、こちらは輸入車、国産車は共通している。
■営業マンと何を話せばいいのか? 競合とか通用するのか?
ライバル車、同じ車種を扱う別法人との競合が可能で効果的なのは国産車と同じ。しかしながら同じ車種で別法人間の競合は、国産に比べるとずっと少ない。これが可能なのは、東京など大都市部に限られる。
ライバル車競合は人気車同士が効果的だ。同じクラス、価格帯、ボディタイプなどを調べて合致させる。
これは輸入車同士だけでなく輸入車vs.国産でも同じである。BMWであれば同じ価格帯のベンツ、アウディ、ジャガー、ボルボなど欧州車が効果的となる。
同価格帯であればレクサス、トヨタ、日産、ホンダ車などとの競合効果も高い。ローンで購入する場合は国産車より輸入車の方が金利は低く、毎月の支払額で得をする扱い店が多い。
ただし買い取り価格はモデルによってかなり上下するので、欲しいと思った車種は、あらかじめ買い取り相場がどれくらいか調べておくことを勧めたい。
高ければそれだけ下取りを出す時に有利になるし、もし低ければそれを話して値引き交渉につなげよう。
コメント
コメントの使い方