ウインカーの位置が低すぎる!?
ハリアーには納期も含めて、わかりにくいことが多い。
まず注目されるのは、ボディ後部に装着されたウインカー(方向指示灯)の位置だ。
先代型ではリアウィンドウ下側の高い位置に装着したが、新型でこの位置に配置されるのは、ブレーキランプと横長のテールランプ(尾灯)のみになる。ウインカーはリアゲートとリアバンパーの下側に設置した。
キャリイのような軽トラックは、低い位置に荷台があり、この下側にウインカー/ブレーキランプ/テールランプを配置する。
ハリアーも同じような地上高で、もちろん保安基準には適合しているが、後続車のドライバーに与える印象はかなり違う。
軽トラックや背の低いクルマでは、ウインカーも低い位置に装着されると一般的に認識されているから、後続車のドライバーも無意識で低い部分のランプを視野に入れる。
しかしハリアーは全高が1660mmに達する背の高いSUVだ。しかも高い位置にブレーキランプが配置されるから、ウインカーも先代型と同じように高い位置にあると誤解されやすい。
交差点で右左折する時は、ウインカーを作動させた後でブレーキペダルを踏むのが基本だが、実際には順序が逆になって曲がる直前にウインカーを作動させるユーザーも多い。
この場面では、後続車のドライバーはまず高い位置で点灯したブレーキランプを注視する。その後に大幅に低い位置でウインカーが点滅しても、気付かなかったり認識するのが遅れることも考えられる。
また渋滞時などに、先行車との車間距離を詰めるユーザーも多い。この時も先行車となるハリアーのウインカーが低い位置に付いていると、自車のボンネットに隠れて見えなくなる心配がある。
いずれもハリアーと後続車のドライバーが正しい運転をしていれば、防げる問題だが、実際にはいろいろな運転の仕方が考えられる。
造形の自由度を守ることは大切だが、安全性を考えると「ドライバーや周囲の人達に違和感を与えないデザイン」を優先すべきだ。
ハリアーマークは消滅していなかった!!
このほか従来のハリアーには、その名称(ハリアー:鷹の一種とされるチュウヒ)を象徴して、フロントマスクにチュウヒのエンブレムを装着した。
それが新型ハリアーでは、海外でもヴェンザの名称で販売されることもあり、フロントマスクのチュウヒがトヨタのエンブレムに変わっている。
そのいっぽうでドアトリムにはチュウヒの刻印を施した。ヴェンザでは、トヨタのエンブレムも含めて刻印は見られない。開発陣の思い入れもあるようで、新型ではチュウヒが隠れキャラのようになっているようだ。
RAV4より装備が充実しているわけではない
ハリアーのエンジン、ハイブリッドシステム、プラットフォームなどは基本的にRAV4と共通だが、上級SUVとして内外装の質感は大幅に高められた。
ただしATレバーは同じデザインになる。このほか後席のエアコン吹き出し口は、ややプラスチック素材を意識させる。
ハリアーは質感と併せて装備も全般的に充実するが、ハリアー・4WD・G(2Lノーマルエンジン搭載車の価格は361万円)とRAV4・4WD・G(同様の仕様が326万1500円)を比べた場合、リアクロストラフィックオートブレーキは、RAV4・4WD・Gには標準装着されるのに、ハリアー・4WD・Gでは6万8200円のオプション設定になる。
またステアリングヒーター、運転席のポジションメモリー機能、快適温熱シートも、RAV4・4WD・Gには標準装着されるが、ハリアー・4WD・Gではレザーパッケージ(価格は30万円の上乗せ)を選ばないと採用されない。
ハリアーとRAV4の装備を比べると、すべてにおいて価格の高いハリアーが充実しているとは限らない。
コメント
コメントの使い方