販売店での状況はいかに?
グランエースはエクステリアデザインからアルファード/ヴェルファイアの上級バージョンのように思えるが、実際は商用車系のハイエースの方がコンセプト的に近いといえる。
したがってトヨタ系列店ではハイエースの専売だったトヨペット店やクラウン、ランドクルーザー、ランドクルーザープラドなどのラグジュアリーモデルを扱っていたトヨタ店を中心に販売に力を入れる傾向がある。
ヴェルファイア、レジアスエースの専売だったネッツ店が3番手で、カローラ店の既納先はこの種のモデルはあまり存在しないので、販売にはあまり力を入れていないといえる。
地域的には4列シート8人乗りの「G」グレードだとホテル、旅館などの多い観光地の販売構成比が高い。3列シート6人乗りの「プレミアム」は大企業の多い大都市部が中心といえる。
今のところ両グレードの販売比率は半々の実績推移となっている。売れ行きはあまり良くないので、各系列店とも他の量販モデルに比べると、それほど熱心に売り込みを行っていない状況にある。
各系列店では「G」と「プレミアム」の1台ずつを試乗車に使い、各店舗に一定期間持ち回りで配置しているケースが多い。
5月からトヨタ車の全車の全店併売がスタートしており、全カタログが店頭のケースにぎっしりと並べられているが、扱い店を数件回って気が付くことは、ケースにはグランエースを置いていないで、入手を申し入れると奥の別の置き場所から取りだすケースもしばしば見られた。
つまりグランエースの購入検討をするユーザーは極端な少数派だから、店頭のカタログケースには置いてない場合が多くなっているのである。
納期は4カ月待ちの11月上旬予定
首都圏にある某トヨペット店で4列シート8人乗りの「G」グレード(620万円)の見積もりを取ってみた。
メーカーオプションはボディカラーをホワイトパールクリスタルシャインに。ディーラーオプション&付属品はドライブレコーダー、ナビキッド、ETC、CD・DVDデッキ、後席ディスプレイ、フロアマット、サイドバイザー、ボディコートなど60万円強を付けて弾くと法定、法定外費用を含めて685万円弱と出た。
値引き額は車両本体から25万円、オプション&付属品から定価の10%を初回回答で提示している。
納期は4か月待ちの11月上旬を予定。待ちの期間が長いのは人気が高いわけではない。販売台数が少ないので、受注がある程度貯まってから生産する方式にしているためである。
今後の販売見通しはどうか。コロナ禍が収束し、観光地でのホテルや旅館の営業自粛の完全再開や企業の本格的な事業活動が行われるようになれば、販売機運が盛り上がることが予想される。
「コロナ禍で積極的に営業はしていない」
【証言:首都圏トヨペット店営業担当者】
この地域は観光地ではなくホテルや旅館がなく、大企業も存在しないのでグランエースの売れ行きはよくない。
発売後半年以上が経過したが、まだ数台しか売っていない。コロナ禍が収束していないので、あまり積極的に売り込みをかけられない状況にある。
ただ、ハイエースやアルファードの専売店を続けていたので、トヨタ4系列店の中では最も売りやすい環境にある。今後コロナ禍が収束すれば、もっと売れるようになると予想している。
受注台数がある程度貯まってから生産し納車するシステムのため、時間がかかる。あと1ヶ月もすれば納期が来年にずれ込む可能性がある。
試乗車は「G」と「プレミアム」の1台ずつを用意して、各拠点に持ち回りで配置するようにしているが、希望者はこの時期だからまだ少ない状況にある。
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