メタルトップではなくあえて幌屋根を採用
2代目SCはメタルトップのオープンシステムが売りとなっていたが、LCはオーソドックスな幌屋根を採用している。
理由は重量増を抑えるとともにAピラー角度や屋根格納部形状など、スタイリングへの影響が最小限に留められるだめだ。
幌屋根自体は4レイヤー構造で、耐候性や遮音性は欧州勢のライバルと遜色はない。開閉はボタン1つで全行程を15~16秒で終了、50km/h内であれば走行時の開閉も可能と、このスペックも8シリーズと同等だ。
911はウインドディフレクターも電動化されているが、LCと8シリーズは開口面の大きさもあって、手動式となっている。
LCの外装はクーペより1色多い11色、幌屋根はブラックとタンの2色、内装は3色から選択できる。
とはいえ、911はより多くの選択肢があり、8シリーズにはユーザーの希望にこと細かに応じるオプションが用意されており……と、同クラスのライバルの動向をみるにちょっと寂しいのも事実。
内装も対外的な表現のひとつとなるオープンカーならなおのことだろう。
60台限定の特別仕様車はすでに完売
とはいえ、シートのステッチやベルトキャッチの加飾など、造作は見られることをきちんと意識して作られている。
象徴的なドアインナーのドレープトリムは、さすがにアルカンターラの耐水性、そしてホコリや日差しによる色飛びが懸念されるため、別素材に改められた。
ちなみにLCはコンバーチブルの発表当初、限定60台の特別仕様が用意されていた。ボディカラーは構造発色のストラクチュラルブルー、そして紺の幌に白/紺の内装と全てが専用の設えとなるそれは、クーペの既納ユーザー枠も一般枠もすでに完売となっている。
5L、V8のみでハイブリッドの設定はなし
年次改良を重ねるLCは、今年、軽量化や操縦性の向上を狙って足回り部品を中心に細かな見直しが加えられた。コンバーチブルはその車台を基に更に要所にブレース&ガセットを加えて補強している。
搭載するパワートレインは2UR-GSE、つまり自然吸気の5L、V8で、クーペには用意される3.5L、V6ハイブリッドは設定されていない。
個人的には他にない個性という点で、ハイブリッドがあってもよかったのではとも思ったが、聞けば従来のバッテリースペースを幌の格納用に使っているため、2シーター化が必須になるという。確かにそれはLCのコンセプトに相反するところだ。
そして開発陣としては、ともあれ今や希少な自然吸気の大排気量マルチシリンダーを特等席で味わってもらいたいという想いもあったという。そのためにレゾネーターにも工夫が施されている。
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