ハリアーはユーザーのニーズに合わせて商品化
これらに共通しているのは市販ドラレコとの比較云々ではなく、現在(当時も含め)ドラレコが必要とするスペック、さらに予防安全の観点からの必要規準に達していないからと考える。
また製造物責任の観点からも十分な性能を発揮できるまでは搭載には慎重だったこともある。
それでは結局はオマケ程度の機能なのか、と言えば必ずしもそうではない。ハリアーは実際売れていることからも今後の改良も含めた開発費用は一定以上担保されるはずだ。
ドラレコの場合、基本の枠組みを作り上げれば、まずレンズや撮像素子などのハードウエア、そして何よりもソフトウエアのアップデートにより従来以上の性能を出すことは可能である。
元々ハリアーに関しては前ユーザーなどからもドラレコの標準装備化、言い換えると「後付け感の無い、スッキリとした取り付け」の商品が求められていたと言う。その点では今回のハリアーはまずは第一段階をクリアしていると言っていい。
デジタルインナーミラーは記録用のSDカードスロットが本体に組み込まれているが、元々熱に弱いSDカードとCPUや液晶ディスプレイ、さらに直射日光による熱は元来相容れないものだ。
それをディスプレイの冷却用に組み込んだファンを活用しSDカードの温度上昇も抑えるという仕組みは基本設計として今後も十分通用するはずだ。
つまり第2段階として顧客の声を反映し、高画質映像や音声録画機能などをブラッシュアップするだけで大きく進化することができる。
本当に重要なのはADASとの連携
あくまでも予想ではあるが、今のハリアーの順調すぎる受注数から見ても年次改良レベルでのデジタルインナーミラーの機能アップは難しいと感じている。
受注残をクリアして安定した供給ができるようになった頃に年次改良したのではそれまでのユーザーが落胆するのは目に見えているからだ。
またトヨタも「デジタルインナーミラーにドラレコ機能を搭載しました」というのは芸が無い、というか、もっと数歩先の戦略を持っているはずだ。
それがADAS(先進運転支援システム)との連携である。カメラやセンサー類を効率的かつ高機能化することにかけてはどのメーカーもADASを中心にレベルアップを行っている。なかなか進化が見えない自動運転領域に関しても同様だろう。
いっぽう、搭載するカメラを活用して「車上荒らし」などの記録もできるモデルも高級車を中心に展開している。
しかしこれらを見るとそれぞれが登場した時期も含め、スタンドアロン(単独)で作動しているクルマも多い。
要は今後はADASをコアにドラレコ機能等も統合、さらに通信との連携でセキュリティ面でのレベルを高めることも視野に入れて開発を行っていくはずだ。
複数機能を高機能なチップを中心に制御することで今までイメージできなかった機能も実装できるようになるはずだ。もちろんこの流れが実際車載された時、瞬間的に車両価格は上昇するだろう。
ただ量産化により最終的には高機能かつコスパに優れたシステムとして多くのクルマに搭載されていくはずだ。
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